今日は父の日。平井の酒場「ゆがふ」をのぞくと、常連の金城が「チチカス、チチカス…」と呪文のようにつぶやきながら競馬新聞をめくっている。「チチカステナンゴの産駒はいねえや」と、あきらめ顔の金城。チチは見当たらなくても、父さん（（10）（3））の馬単馬券ならいくらでも売っている。

　函館11R・函館スプリントSの（10）はジョーマンデリン。父ジョーカプチーノから受け継いだのはコーヒーにちなんだ馬名だけではない。スピードも父譲り。前走・UHB杯は着差（1馬身1/4）以上の強さだった。昨夏のUHB賞（札幌）でスタート直後に落馬して以来、発馬に躊躇（ちゅうちょ）して出遅れていたが、前走では吹っ切れたように好スタートを決めた。函館コースは4戦3勝、2着1回の好相性。連闘も滞在競馬だけに疲れを残さずに臨めるだろう。鞍上には落馬負傷から先週復帰した岩田康。初コンビには強い。2着に（3）エイティーンガールが飛んでくれば、父さん（10）（3）馬券が完成する。