話題さらった白毛一族連鎖反応

2020年9月9日 05:30

 札幌2歳Sをレコードタイムで制したソダシ、小倉2歳Sで大外一気を決めたメイケイエールは、どちらも96年生の白毛のサンデーサイレンス牝馬シラユキヒメにさかのぼる同族。前者はシラユキヒメの孫、後者はひ孫にあたる。夏競馬最終週の話題をさらった白毛一族の連鎖反応である。

 白毛馬初の芝重賞制覇を果たしたソダシはこの夏、種牡馬引退が正式に発表されたクロフネの第16世代で、父にとっては最後の大物候補ともいえる存在。準オープン特別を含む4勝の活躍馬ブチコの初子となる。この母の半姉マシュマロの子が昨年のレパードS勝ち馬ハヤヤッコで、同馬とはいとこ同士の間柄。ちなみに同じくいとこにあたる2歳牡馬ダノンハーロックは、8月22日に小倉ダート1700メートルのデビュー戦を5馬身差で大勝していた。思えばこれが“連鎖反応”のトリガーだったのだろう。

 新種牡馬ミッキーアイル産駒のメイケイエールは時流のサンデーサイレンス3×4の近交馬。祖母が元祖白毛のアイドルホースとして人気を博したダートグレード3勝のユキチャンで、母シロインジャーもその名の通りの白毛だったのだが、ルーツであるシラユキヒメから4代目の本馬は鹿毛。一族から初めて出た「非白毛」の重賞勝ち馬となる。白毛は優性遺伝とされるので、メイケイエールは白毛遺伝子を持っていないのだが、もちろん毛色と競走能力に遺伝的な相関関係はない。こちらも桜花賞路線を展望できる素質馬だ。(サラブレッド血統センター)

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