最大規模の山火事 競馬界にも“飛び火”

2020年9月17日 05:30

 焼失面積が過去最大規模となっているカリフォルニア州の山火事が、ついに競馬の世界にも影響を及ぼすことになった。サンタアニタ競馬場における秋開催の開幕が、当初の19日から1週間近く延期され、25日となることが決まったのだ。

 「ボブキャット・ファイア」と名付けられた火災は、サンタアニタ競馬場の向正面に望むサンガブリエル山脈にも延焼。火の粉が飛んでくるまでには至っていないものの、風向きによっては煙が競馬場にまで到達し、大気汚染によって、馬の呼吸器に影響が出ることが懸念されている。

 さらに、サンタアニタは周辺2マイルに居を構える近隣住民のための避難場所に指定されており、競馬場は競馬開催よりも人馬の安全確保を優先することを決めたものだ。20日に予定されていた、大井競馬場との提携競走であるG3トウキョウシティC(ダート12F)が、27日に再編成されることも併せて発表されている。火災はカリフォルニア州から隣接するオレゴン州にも広がり、既に東京都の7倍以上にあたる1万6200平方キロが焼失しているが、現地は強い季節風が吹く時季を迎えており、さらなる延焼が懸念されている。 (競馬評論家)

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