障害最多勝“80歳名伯楽”ジョナサン・シェパード師が北米撤退

2021年1月7日 05:30

 北米の殿堂入り調教師で、大種牡馬ストームキャットを手掛けたことでも知られるジョナサン・シェパード師(80)が4日、北米競馬からの撤退を表明した。英国生まれのシェパード師は20歳の時に北米に渡り、25歳で開業。障害競走で挙げた通算1242勝、収得した通算2490万ドル(約25億円)は、いずれも北米における歴代最多である。

 賞金部門で29回、勝利度数部門で26回にわたって障害リーディングに輝き、この間、カフェプリンス、フラッタラーの2頭が殿堂入りを果たした。のみならず、08年にはBCフィリー&メアターフを制したフォーエバートゥゲザーが最優秀芝牝馬に、09年にはBCフィリー&メアスプリントを制したインフォームドデシジョンが最優秀短距離牝馬に選ばれ、平地と障害の両分野でチャンピオンを育てた北米で唯一の調教師となった。

 北米撤退の理由について、19年にライム病という感染症を患い、現場を離れた期間があったこと。厩舎従業員がその間に非常に良い仕事をしてくれたこと。そうした後進に道を譲るには12月2日に80歳になった今が潮時と感じたことを挙げている。今後はアイルランドに移住し、小規模の厩舎運営を継続することを明らかにしている。 (競馬評論家)

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