阪神大賞典。アリストテレスは前走AJC杯も◎を打ったが、正直、半信半疑だった。稽古の動きが物足りず明らかに完調手前の印象。加えて当日は不良馬場。道悪も決して得意なタイプではない。惨敗まであるかもと思って見ていたが、終わってみれば完勝。外を回って先行勢をねじ伏せ、後続の追い上げを封じる着差以上に強い内容だった。

　菊花賞でコントレイルに冷や汗をかかせた実力はやはり本物。その菊花賞の印象が強いせいか、既にG1級の風格だが、実は前走が重賞初制覇。従って、別定のここに56キロで臨めるのも有利だ。稽古の気配は前走より明らかに上。3000メートルへの延長も望むところだ。フィエールマンが去った長距離路線を背負って立つ逸材。とりあえず盾の舞台に立つまでは負けられない。（9）から。