キタサンブラック 量より質で勝負 大物ステイヤーに期待

2021年7月7日 05:30

 【新種牡馬紹介(2)キタサンブラック】16、17年のJRA賞年度代表馬。単勝5番人気での菊花賞制覇など、クラシック戦線ではダークホース的な立ち位置だったが、武豊騎手とのコンビ結成で先行力に磨きがかかり、古馬G1戦線ではオーナーの北島三郎氏によるパフォーマンスが定番化するほどの圧倒的な強さを発揮した。獲得総賞金18億7684万3000円は国内戦における歴代最多。春の天皇賞2勝目の際には芝3200メートル3分12秒5のスーパーレコードを叩き出した一方、歴史的な極悪馬場で行われた秋の天皇賞では芝2000メートルG1の国内最遅タイムとなる2分8秒3で優勝と、広義ではサンデーサイレンス系の発展形ともいえる全天候型の名馬だった。

 ディープインパクトのスペアとして種牡馬入りした父ブラックタイドは、血統的潜在能力を本馬に集中させることで偉大な全弟に一矢報いた形。本質的な部分で一子相伝のスタイルは次世代も変わらないと思われる。産駒数は意外に伸び悩んだが、量より質で勝負するタイプだろう。すでに数少ない地方デビュー馬から認定競走勝ち馬が出た。自身のリメイクのような大物ステイヤーを期待したい。(サラブレッド血統センター)

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