【田井】「馬体派」の信念貫いた3連単◎→〇→☆32万2750円!

2021年9月9日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。先週は日曜小倉7Rで3連単32万2750円の大ホームランをかっ飛ばした田井秀一記者。米国系の筋肉ホースを軸として、ビッグヒットを狙い撃ちする、予想の“キモ”の一部を明かした。

 “筋肉は裏切らない”。NHK番組「みんなで筋肉体操」が話題となり、18年には流行語大賞にノミネートされた標語だが、馬券でも筋肉は裏切らない。

 「馬体派」を自称する以上、記者となった19年春から全レース、全出走馬をパドックでチェック、メモを取っている。血統によってさまざま違いはあるが、語弊を恐れず大ざっぱに言えば、米国血統の馬は筋肉量で他をしのぐ(もちろん個体差はある)。柔らかさが求められる日本の芝の中長距離では後れを取るが、パワーが求められるダートや芝の短距離では優位となる。馬が持つバネやしなやかさというのは「見ただけでは簡単には分からない」と長年、馬を見ている調教師も話す。だが、筋肉の量や質は一目瞭然。容量は大きさを見ればいいし、質もボディービル大会でいう“切れてる”状態を想像してもらえれば分かりやすいと思う。

 ◎○☆で3連単32万2750円を的中した小倉日曜7Rを勝ったのは米国産馬スーパーウーパー。ごつごつした筋肉が大好きで常に重い印を打ってきた。また、新潟土曜2Rの◎エルパソ(10番人気1着、単勝32・5倍)と、同日曜12Rの◎ニルカンタテソーロ(8番人気1着、単勝22・1倍)も父系が米国血統だった(エルパソの父マクフィは欧州で活躍したが、シーキングザゴールド系なので記者は米国系統に区分している)。3頭とも外枠をゲットして前走2桁着順から巻き返しV。高配当を演出した。

 米国血統馬が“おいしい”のは気分にそぐわないレース展開になると大敗してくれるからだ。スーパーウーパー、ニルカンタテソーロの前走大敗は自分より外枠に、自分より速い馬がいて走る気をなくした。エルパソに至っては得意ではない芝のレースだった。大敗で馬柱の見栄えが悪く人気は落ちるが、筋肉はライバルより優れているのだから、条件さえ整って気持ちが前を向けば巻き返して当然。筋肉は裏切らない。

 ただ、米国血統でもうけようと思えば忍耐が必要。走る時だけ狙い撃ちできればいいが、気分が乗る展開になるかどうかはゲートが開かないと分からない。もちろん、枠順やコース条件が適しているかどうかは確認しつつ、買い続けて走ってくれる時を待つしかない(4角で◎がずるずる下がる姿は結構心に来る…)。万哲さんの背中を追いかけ、その場しのぎの予想はせず信念を持って印を打つ。そう心に決めているからこそ取れた万馬券だった。(田井 秀一)

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