【菊花賞】ステラヴェローチェ スタミナ資質は十分、記録的“返り咲き”挑む

2021年10月20日 05:30

 2週前登録の段階でタイトル分散が確定した今年の牡馬3冠。トライアルを制したダービー最先着馬ステラヴェローチェが最後の1冠でクローズアップされるのは、極めて自然な流れといえる。

 ステラヴェローチェの父バゴは初年度産駒から10年の菊花賞馬ビッグウィークを出しており、05年の菊花賞馬である母の父ディープインパクトは父として直近5年で4頭の優勝馬を出し、17年の勝ち馬キセキの母の父となった。加えてバゴの父ナシュワンとディープインパクトの母ウインドインハーヘアはいとこ同士で、エリザベス女王のオーナーブリード馬である英1000ギニー、仏オークス馬ハイクレアを祖母として共有している。配合面の意匠もスタミナ資質を裏づけるものだ。

 ただし、唯一気になるのは前記ビッグウィークの菊花賞から11年が過ぎていること。過去81回で複数の勝ち馬を出した種牡馬は最多4勝のサンデーサイレンス、ディープインパクトら15頭を数えるが、その空白期間は82年ホリスキー、91年レオダーバンを出したマルゼンスキーの9年が最長となっている。ちなみに皐月賞はオペラハウスの7年、ダービーはトニービンの8年。牡馬クラシックにおける血統的な“返り咲き”は非常に難度が高いのである。バゴが挑む「11年ぶり2度目」は記録的な復活劇ということを頭に入れておきたい。 (サラブレッド血統センター)

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