米BCマイルに還流した「サンデーの血」

2021年11月3日 05:30

 今週はJRAG1中休みの“BCウイーク”。3日の日本版JBC開催に続き、週末はデルマー競馬場で本家の第38回ブリーダーズカップ・ワールドチャンピオンシップスが行われる。

 日本でも「ターフ」、「マイル」、「フィリー&メアターフ」の馬券が発売されるが、中でもディープインパクト産駒ヴァンドギャルドが参戦するブリーダーズCマイルは血統面からも非常に興味深いメンバー構成となった。前哨戦のG1ターフマイルSの1着馬インラブ、同4着で昨年のBCマイル4着馬でもあるアイヴァーは、輸出されたサンデーサイレンス後継種牡馬アグネスゴールドの産駒。さらにディープインパクト産駒初の海外G1制覇を果たした“持ち出し”の仏1000ギニー馬ビューティーパーラーの第2子、G1ファーストレディS勝ちのブロウアウトもエントリーしている。32年前にBCクラシックを制したサンデーサイレンスの血脈がさまざまなルートを経由して“聖地”に還流したことは感慨深く、誇らしくもある。

 去る9月に23歳で没したアグネスゴールドは、新馬からスプリングSまでデビュー4連勝を飾り、同馬主のアグネスタキオン最大のライバルと目された素質馬。国産3世代は振るわなかったが、北米を経て腰を落ち着けたブラジルでチャンピオンサイヤーに上り詰める大成功を収めた。今回は馬券発売にタイミングを合わせたかのような2頭出し。往時のファンに向けてのプレゼントかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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