【エ女王杯】“北米芝女王”に極めて近いテルツェット

2021年11月10日 05:30

 先週末のブリーダーズC開催はダートと芝、それぞれの牝馬限定北米最高賞金レースを日本調教馬が独占する画期的な決着となった。ディスタフのマルシュロレーヌはオルフェーヴル産駒で、フィリー&メアターフのラヴズオンリーユーはディープインパクト産駒。種牡馬としての3冠馬のそろい踏みによって、89年BCクラシックの覇者サンデーサイレンスの血脈が故郷に錦を飾ったことになる。興行と生産を理想的な形でリンクさせた日本競馬のフィードバック力を世界に示した快挙といえるだろう。

 今週のエリザベス女王杯には、事実上の北米芝牝馬チャンピオンとなった前記ラヴズオンリーユーの極めて近い同族がエントリーしている。本年グレード2勝(ダービー卿CT、クイーンS)のテルツェット。ラヴズオンリーユーの6歳違いの半姉ラッドルチェンドの3番子である。父はラヴズオンリーユー、その全兄であるドバイターフ勝ちのリアルスティールと同じディープインパクト。G1でも格負けしない血統だ。

 母の父デインヒルダンサーは欧州のG1スプリンターだが、母の父としての産駒には4000メートル級G1馬もいるという没個性型。初距離克服の足かせにはならないと思われる。前2年連続3着に敗れた叔母の代役として“三度目の正直”を果たす可能性は十分にある。(サラブレッド血統センター)

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