関東オークス2強は血統背景も好対照

2022年6月15日 05:30

 15日に川崎で行われる関東オークスは、南関東牝馬3冠最終戦でもある国内唯一の3歳牝馬限定ダートグレード競走。1着賞金300万円増の3500万円となった今年は浦和のスピーディキックとJRAのドライゼ、血統背景も好対照の両馬の一騎打ちムードだ。

 16年ぶりの牝馬3冠が懸かるスピーディキックは、JBCスプリントなどダートグレード3勝を挙げたタイセイレジェンドの第3世代。父の現3歳血統登録産駒わずか11頭の中から現れた大物で、このあたりが父系祖父キングカメハメハの「種牡馬の父」としての勝負強さといえる。母の父サイレントディールは二刀流で活躍したサンデーサイレンス産駒で、ダートでは武蔵野Sのほかに2000メートルの佐賀記念レコード勝ちの実績もある。距離克服能力に関しては、この母の父の影響力も見逃せない。

 対するデビュー2連勝のドライゼは昨年の北米2歳チャンピオンサイヤー、ガンランナーの持ち込み馬。こちらの父は“本家”のBCクラシックなどG16勝を挙げた17年米年度代表馬で、本馬と同じ初世代から米2歳女王エコーズールーを筆頭に5頭のG1馬を連発している最先端のダートサイヤーである。母のジュリエットシアトル、祖母のヒウリエヘイローもアルゼンチンのG1ウイナーで、血統的には交流重賞の舞台でさえ役不足に思えるほど。ダートグレード競走に育まれた日本産ダート血統の真価を問うには申し分のない相手といえるだろう。 (サラブレッド血統センター)

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