【ヴィクトリアM】“満点”テルツェット差す 好走データ全5項目クリア
2022年5月10日 05:30 過去10年の傾向から勝ち馬に迫る「G1データMAX」。今週はマイル女王決定戦・ヴィクトリアマイルを取り上げる。データ班が徹底分析の結果、導き出したのは伏兵テルツェット。全5項目をクリアした末脚自慢に注目だ。
(1)年齢 過去10年の出走馬の年齢別成績は次の通り。
4歳【4・6・3・63】
5歳【4・3・6・55】
6歳【1・1・1・24】
7歳【1・0・0・5】
現在主流のクラブ所有牝馬が6歳3月を引退時期に設定していることもあり、4、5歳で計8勝。6歳以上の勝利は15、16年に6、7歳で連覇したストレイトガールのみとなっている。今年の6歳馬(勝率3・7%)はシャドウディーヴァ、ローザノワールの2頭。共に6歳初戦だった前走では大きく負けており、ここでは狙いにくい。
(2)前走距離 好成績を残した前走距離別成績は以下の通り。
1600メートル【3・5・4・57】
1800メートル【2・3・2・36】
2000メートル【2・1・1・6】
前述の3つの距離から計7勝。意外にも2000メートルから参戦した馬も結果を残しており、大阪杯から挑むアカイイト、レイパパレ、前走がクイーンエリザベス2世カップだったデアリングタクトも十分に狙える。
一方、1200メートル【1・0・2・17】、1400メートル【1・1・1・27】は微妙な成績。今年でいえばサウジアラビアの1351ターフスプリント(1351メートル)を制したソングライン、高松宮記念から距離を延ばすレシステンシアは割引が必要か。
(3)前走別 主要なステップは以下の通り。
阪神牝馬S組【4・4・5・60】
中山牝馬S組【2・2・0・8】
大阪杯組【2・1・1・1】(G2時代含む)
優先出走権が与えられる福島牝馬S組だが【0・1・2・22】と大不振。小回り&右回りの前哨戦がタフな東京コースに直結しないことを表している。今年の福島牝馬S組アブレイズ、クリノプレミアムは強気には狙いにくい。また、前走を海外で出走した馬にも注意。14年ドバイシーマクラシックから挑んだデニムアンドルビー(本番で4番人気7着)、19年ペガサスワールドカップ&ターフから臨んだアエロリット(同2番人気5着)と成績は振るわない。今年は間隔が空いているが、前走が香港のデアリングタクトは減点したい。条件戦からの好走例もなく、豊橋Sを勝ったばかりのディヴィーナも厳しいか。
(4)前走着順 このレース最大の特徴は前走好走馬の不振だ。前走で1~3着だった馬は、計75頭が出走してわずか1勝のみ。前走4着以下だった馬が本番で反撃するパターンが大半となっている。阪神牝馬S1、2着メイショウミモザ、アンドヴァラナウト、フェブラリーS3着ソダシなど、前走で好走した馬たちの過信は禁物。
(5)東京実績 3着以内の延べ30頭中、16頭が東京コースで勝利した経験があった。G1馬のアカイイトは東京2戦で0勝。昨年ヴィクトリアマイル3着のマジックキャッスルも厳しくジャッジすれば東京での勝利経験はない。
【結論】全ての項目をクリアしたのが5歳馬テルツェットだ。中山牝馬S5着からの本番逆転はいかにもありそうなパターン。東京1600メートルは20年国立特別、節分Sで2勝と適性を証明している。ハマった時の末脚は強烈で、先週NHKマイルCのような追い込み勢有利の展開となればさらに面白い。(データ班)
《血統も後押し!ディープ産駒圧倒》ヴィクトリアマイルは過去10年でディープインパクト産駒が【4・5・5・38】と圧倒。開幕序盤の軽い芝で産駒の切れ味が存分に生かされている印象だ。今週は雨予報だが同産駒ジュールポレールは2年連続のやや重で17年3着、18年1着といずれも馬券に絡んだ。昨年はグランアレグリア、ランブリングアレー、マジックキャッスルで1~3着を独占。今年はデゼル、テルツェット、マジックキャッスル、レイパパレの4頭がエントリーしている。