【有馬記念】ドウデュースの松島オーナー大団円へ「すべて武ちゃんに感謝」
2024年12月20日 05:15 有馬特別連載「サンクス・ドウデュース・ファイナル」最終回はドウデュースを所有するキーファーズの松島正昭代表(66)。馬主になる前から親交のあった主戦・武豊との関係性や、ラストランとなる愛馬にエールを送った。
武豊の歩んできた年譜に松島オーナーの登場を重ねると古くから同じ京都に住む友人だが、騎手×馬主の関係性に限るとまだ10年ほどに過ぎない。「ディープインパクトが活躍している時代はまだ友達。というか僕が一方的にファンやったからね。その彼が凱旋門賞の結果(3位入線失格)に凄く悔しそうにしていることが馬主を目指す転機だったかな」。
松島オーナーはマスコミの媒体や状況により武豊を指す時に“さん”“君”で使い分けるが、普段の二人は「武ちゃん」「松島さん」と呼び合っている。「奇跡みたいな出来事。友達が武ちゃんで、ドウデュースがここまでG1を積み重ねてくれるなんてホンマに奇跡だと思う。馬主になってしばらくは(運気を)持っていない、と嘆いてたけど違うかったね。ありがたい。すべて武ちゃんに感謝」。
二人の関連性をすっかりファンも承知。G1の表彰式で馬主の紹介時や武豊とハグする光景でスタンドが沸く光景は今やおなじみ。天皇賞・秋では栄えある天皇盾の下賜でこんな一コマがあった。
馬主は白い手袋をはめて受け取るのだが、緊張する瞬間らしくサクッと手に収まらないことは意外に多い。松島オーナーのぎこちない所作?に武豊は「左右が逆」と小さな声をかけていたほどだが、後日に松島オーナーは「渡された手袋が小さかった。女性用とちゃうかな」と弁明した。
それが事実なのはウィキペディアで使われている松島正昭氏の写真が一目瞭然。右手の甲は半分までしか収まっておらず確かに手袋が小さかったのだ。
余談だが、女子プロゴルファーの一流選手・川崎春花(村田製作所所属)が試合時にかぶるキャップの右側は「MATSUSHIMA」のロゴ。競馬通なら一目でキーファーズの馬主を連想できるもの。スポンサーとして名を連ねており今季も川崎春花はツアー3勝と大活躍、ロゴにお目にかかる機会が多かった。
さて、ドウデュースの物語は有馬記念で大団円へ。友人の武豊と紡ぐドウデュースの戦歴を「奇跡」と称する松島オーナーは同じほど「感謝」の2文字を口にしている。武豊、友道師、担当の前川助手ら厩舎スタッフ、ノーザンファーム関係者らを挙げ「応援してくれるファンに対してもそう。感謝しかない」と繰り返した。引退の花道を飾る有馬記念連覇へ。日本の競馬には世界に類を見ないレースがある。有馬記念だ。そのことをかみ締める下地は整っている。 =終わり=
◇松島 正昭(まつしま・まさあき)1958年(昭33)2月23日生まれ、京都府出身の66歳。輸入車・国産車の正規ディーラー「株式会社マツシマホールディングス」の取締役会長。馬主歴7年目で所有馬ドウデュースが22年日本ダービー制覇。趣味のゴルフはベストスコア71。千佳夫人と同社代表取締役社長の長男・一晃氏、長女の悠衣氏も馬主免許を取得。次男の鴻太氏はプロバスケットボール「京都ハンナリーズ」の代表取締役社長。