【梅ちゃん先生 特別編】23日新潟11R 赤く燃えるアネラ

2020年8月23日 08:00

 東京競馬場を訪れた文豪・菊池寛が無観客競馬を嘆いたのは76年前のダービーだった。太平洋戦争の影響で「能力検定競走」として無観客で行われた1944年のダービー。持ち馬のトキノチカヒが9着に敗れると、菊池寛はステッキにもたれるようにして「歓声がないと馬も走らない」と独りごちた。「口きかん~わが心の菊池寛」(矢崎泰久著、03年飛鳥新社発行)にはそんなエピソードがつづられている。

 新潟11Rに出走するレッドアネラもトキノチカヒみたいな馬だ。前走は無観客競馬で闘志が沸かず、ハミもまともに取らないまま15着。サッカー選手のように歓声を受けてアドレナリンを上げるタイプなのだ。今回も無観客のため一策を講じた。常用のメンコを外してハートに火を付ける。休養明けの重賞・カペラSで4着に粘ったように鉄砲も利く。

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