【凱旋門賞】武豊、絶好最内1番枠!先行クリンチャーに追い風

2018年10月5日 05:30

残り福で1番枠をゲットを伝えるモニター

 他馬のゲート番が次々と決まっていく中、クリンチャーの馬名はいつまでたっても呼ばれなかった。多少ジリジリする関係者。しかし、最高の狙いどころである1番ゲートは残っていた。あそこしかない。埋まるな…。残ったのはキューガーデンズとクリンチャー。そして<14>と<1>。キューガーデンズが<14>を引く。決まった。<1>。最高のゲートがクリンチャーの手に渡った。

 「残り物に福があると言いますけど、いい枠を引けました。途中からは“最後まで残るんじゃないかな”と思ってました。勘ですけどね。武豊騎手も“内がいい”と言ってました。良かったと思います」

 宮本師の頬も紅潮している。武豊も事前に「枠は内の方がいい。作戦は決めていないが、なるべく前のポジションを取りたい。あとは他馬がどんな作戦を取るかによる」と話した。欧州の競馬は大半がスローで流れる。外枠では終始、外を回らされやすい。パリロンシャンはアップダウンが多く、さらに凱旋門賞は多頭数。オープンストレッチを使用しないことで後方の馬による“イン突き”の可能性も消えた。ロスの少ない最内枠のアドバンテージは、とてつもなく大きい。「欧州の馬たちよりゲートは速い。この位置ならスッと好位に付けられると思う」。指揮官は早くもレースイメージを描いている。

 武豊といえば1番枠というイメージだ。一昨年の天皇賞・春、ジャパンCをキタサンブラックで最内枠から制した走りは記憶に新しい。そして何よりノースヒルズの傑作(馬主は前田晋二氏)キズナ。13年ダービーを1番枠から制し「僕は帰ってきました!」とお立ち台で叫んだ。クリンチャー自身も昨年のすみれSを1番枠から制している。運命に導かれたかのようなゲート番だ。

 4日は約60分の引き運動を消化したクリンチャー。ハードに追い切った後も疲労した気配はない。「気配は悪くない。カイバもしっかり食べている」(同師)。陣営は雨を熱望するが、決戦の7日、雨がパラつく予報も出始めた。理想の舞台設定は整いつつある。あとはクリンチャーが持てる力を振り絞るだけだ。

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