【菊花賞】フィエールマン4馬身先着!師も驚がく「まるでチーターだ」

2018年10月18日 05:30

<菊花賞>嶋田を背に併せで追い切るフィエールマン(右)(撮影・村上 大輔)

 規格外の競走能力がストレートに伝わってくる動きに、フィエールマンを管理する手塚師が興奮を抑えきれない。「凄く良かった。普通の馬とは何かが違うよね?体の使い方とか、加速の速さとか…何だろう?そう、まるでチーターだ」

 指揮官が目を輝かせた最終追いはWコースで僚馬ローズクランス(5歳500万)との併せ馬。3馬身後方をスムーズに折り合って進み、徐々に差を詰めて4角で内から並びかける。鞍上の嶋田(レースはルメール)が追い出すと、ため込んだ力を一気に噴出するようにギュンと急加速。アッという間に抜け出し、ゴールではパートナーを4馬身も置き去りにしていた。

 父ディープインパクトから受け継いだ桁違いの瞬発力は、既に実戦でも披露済みだ。前走のラジオNIKKEI賞。小回りの福島で4角13番手という絶望的な位置から、異次元の末脚を繰り出して0秒1差2着まで押し上げた。「結果2着では大きなことは言えないが、あれほどの脚は、なかなか使えない」と手塚師。同馬の非凡な身体能力に確信を抱いた瞬間だった。

 3カ月半ぶりで菊花賞にぶっつけ参戦を選択したのは、心身共に未完成でレースのダメージが大きい現状を考慮したため。早い段階で決定した臨戦過程とあって、師は「牧場から見てきたが、レースに向けての状態は申し分ない」と仕上がりの良さに太鼓判を押す。初距離となる3000メートルの適性に関しては「期待半分に不安半分」と慎重な姿勢を見せつつも「血統、走り方、性格から大丈夫とは思っている」と前向きだ。

 勝てば史上最少キャリアでのV。先週の秋華賞でアーモンドアイを牝馬3冠に導いたルメール騎乗なら、偉業達成の期待は高まる。「未知の部分は多いが、チャレンジする価値はある馬だと思う」と指揮官。馬名の意味通り「気高く、勇ましく」大仕事を成し遂げそうな気配が漂ってきた。

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