【マイルCS】アスコット95点!まるで「磨墨」貴公子に変身

2018年11月13日 05:30

落ち着き十分のモズアスコット

 宇治川の先陣争いで池月に敗れた磨墨は優しく気品に満ちた貴公子然とした顔立ちと伝えられています。手綱を取る梶原景季が池月の佐々木高綱に後ろから「腹帯が緩んでいるから締め直した方がいい」と助言され、減速して締め直している間に池月に追い越されてしまう。平家物語によれば、策略で敗れたとはいえ、池月と甲乙つけがたい名馬だったとか。精かんな体つきとはアンバランスな穏やかな顔立ちの貴公子。まるでモズアスコットのようです。

 体のどこにも無駄がないシャープなつくり。筋肉を十分に浮き立たせながら、腹周りは引き締まっています。今週末を待たず、今日にでも宇治川に出向けるほど臨戦態勢は整っています。名馬の尾を驥尾(きび)と呼びますが、その立派な尾は、つかまっていれば宇治川を通り越してはるかアスコットまで連れて行ってもらえると思わせるほど力強い。立ち方も理想的です。安田記念では遠慮するように後肢を前に置いていましたが今回は正常な位置。安定感が増しています。

 顔に視線を移すと…。精かんな馬体とはアンバランスな柔和な顔立ち。遠くを見つめる穏やかな目。耳にも力を入れすぎず、ハミをゆったりと受けています。池月のようなどう猛な目つきでカメラマンをにらんでいた安田記念時とはまるで別馬です。目は心の窓。温和な目つきに変わったのは余裕、自信が生まれたからでしょう。

 鞍上はルメール。緩んだ腹帯を直すために減速した梶原景季のような失態は間違っても演じないでしょう。池月と甲乙付けがたい名馬・磨墨の再来です。

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