【東海S】インティ、遅れて来た大器 さあ6連勝で重賞初Vへ

2019年1月16日 05:30

インティ 

 ノンストップで条件クラスを卒業し、6連勝で重賞制覇へ。東海S(20日、中京=1着馬にフェブラリーS優先出走権)に参戦するインティは一昨年6月にデビュー2戦目の未勝利勝ちから休養を挟みつつ平場500万、平場500万、平場1000万、そして前走の準オープン・観月橋Sまで破竹の5連勝。この5戦は2着との着差が7、4、4、10、5馬身で計30馬身もの差をつけた。

 ただ陣営にとっては派手な勝ち方より、とにかく無事に…という思いしかない。今こうして現役でいること自体がある意味、奇跡だからだ。元々体質が弱くてデビューが遅れた経緯があり、一昨年8月に2勝目を挙げ、それから次走を迎えるまで11カ月ものブランクがあった。野中師が当時を振り返る。

 「競馬が終わって、すぐに前脚をつけないくらい球節が腫(は)れてしまって…。あのときはもう復帰できないんじゃないかと思ったし、実際オーナーには“もう諦めないといけないかもしれません”という話をさせてもらった」

 逆境からはい上がって復帰。休んでいても能力は一切サビついていなかった。しかし、期待が大きいからこそ慎重にもなる。

 「強い勝ち方をしているように素質はある。ただ、まだキャリア6戦。課題はいっぱいあるし、これまで能力は通用する馬でも鼻をへし折られるシーンを何回も見てきたから。前走は内から他馬に突っ張られたら引っ掛かったし、変なところで手前を替えたり競馬がまだ粗削り。自分の競馬ができなかったときに、どう対応するかが鍵になる」

 観月橋Sから2カ月半空けて重賞初参戦は予定通り。ピッタリ照準を合わせ、年末年始も乗り込んできた。「今は脚元も全くモヤモヤしていない。元々稽古で派手な動きはしないけど順調に来ている」。新星候補から新星へ。圧勝続きの大器が連勝街道を突き進む。(柏原 健士)

特集

2019年1月16日のニュース