【札幌記念】ブラスト完全復活V!川田初タッグで神騎乗、さあ凱旋門賞

2019年8月19日 05:30

札幌記念を制した川田騎乗のブラストワンピース=手前(撮影・千葉 茂)

 さあ、凱旋門賞(10月6日、パリロンシャン)へ!G1馬4頭など豪華メンバーによる「第55回札幌記念」が18日に行われ、3番人気のブラストワンピースが勝利。昨年有馬記念以来の重賞4勝目を挙げ、3着フィエールマンとともに凱旋門賞参戦が正式に決まった。

 パリロンシャンへつながる2分間は、楽な道のりではなかった。「一番内の枠ということもあって苦しい競馬になったけど、最後はこの馬の力でねじ伏せてくれた感じです。凱旋門賞を見据えての札幌記念で、そこへ向けての依頼でしたが、結果で応えることができてホッとしています」。初コンビのブラストワンピースを勝利に導いた川田は、安どの表情を浮かべた。

 最内枠から道中は中団より少し後ろ。インでレースを運ぶ。4角で外のワグネリアンがいい手応えで上がっていく。川田は直線でインへ導き、スペースが空くとアクション。グランプリホースがこれに応える。力強く前との差を詰め、最後は先に抜け出したサングレーザーを首差捉えた。

 前走の目黒記念は8着に敗れたが、大竹師の分析は明解だった。「トップハンデの59キロよりも、高速決着になったことが厳しかったと思う。それに重さもありました」。その後はひと息入れて函館入り。新コンビの川田は2週前、当週と追い切りに騎乗し、きっちりと馬を理解して臨んだ。

 G1馬3頭を蹴散らし、胸を張って凱旋門賞へ向かう。馬主のシルクレーシング・米本昌史代表は「フィエールマンと一緒に行くことになると思う。距離は延びた方が良さそう。期待は膨らみますね」と参戦を明言。鞍上や日程は未定ながら、ノーザンファーム天栄(福島県)で輸出検疫を受けて英ニューマーケットへ。そこで調整を行い、決戦の地へと向かう。

 師は海外挑戦へ、しっかりと前を向く。「カイバを食べることに関しては武器になると思う。時計がかかる馬場の中で勝てた。最後はこじ開けてきましたね」。初の洋芝で“一発回答”。タフな欧州馬場への対応へ、道筋がついた。エンジンのかかりが遅いタイプだけに距離延長もプラス。晩成型のハービンジャー産駒で、成長力も期待できる。日本競馬の悲願成就へ。たくさんの可能性を詰め込んで、堂々と海を渡る。

 ◆ブラストワンピース 父ハービンジャー 母ツルマルワンピース(母の父キングカメハメハ) 牡4歳 美浦・大竹厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦6勝 総獲得賞金5億950万2000円。

 《キセキ挑戦明言、ディアドラ来月追加登録の決断》日本馬では他にキセキ(牡5=角居)が凱旋門賞への挑戦を明言している。G2フォワ賞(9月15日、パリロンシャン)をステップに本番へ向かう。英G1ナッソーSを制したディアドラ(牝5=橋田)はG1愛チャンピオンS(9月14日、レパーズタウン)後に出否を決める予定。同馬は凱旋門賞には登録しておらず、出走する場合は追加登録料の12万ユーロ(約1414万円)が必要になる。

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