大塚と木村師の和解成立「暴言・暴行を認めておわび」

2021年10月9日 05:30

大塚海渡

 デビュー3年目の大塚海渡(20)が、前所属厩舎の木村哲也師(48)からの度重なる暴言、暴行で精神的苦痛を負ったとして、同師に850万円余りの損害賠償を求めていた民事訴訟は8日、和解が成立した。原告側の鈴木和憲弁護士が明らかにした。

 今年1月、大塚が木村師から頭部を平手で殴打されるなどの暴行を受けたとして茨城県警稲敷署に被害届を提出し、問題が明るみに出た。この事件について、土浦簡易裁判所は7月12日付で同師に対し罰金10万円の略式命令を出し、同27日に刑が確定。8月18日にJRAは同師を10月31日までの調教停止処分とし、現在は管理馬全67頭が岩戸厩舎に転厩している。

 その後も民事訴訟の審理は続いていたが、この日、水戸地裁土浦支部で行われた弁論準備手続き終了後に、鈴木弁護士が「今日、和解が成立しました。和解条項には、(木村師が)暴言・暴行を認めておわびする旨、原告側が他の請求を放棄する旨が盛り込まれている。解決金は80万円です」と発表した。

 なお、復帰を目指す大塚は現在、乗馬練習でリハビリ中。父・哲郎さんは「体は見た目には大丈夫。復帰のめどはまだ立っていないが、今できる範囲でトレーニングを続けています」と現状を報告した。

 ▼大塚のコメント全文 この度、木村調教師に対して起こしていた民事訴訟において、和解することになりました。和解に応じた理由としては、裁判所から提示された和解条項に、木村調教師が私に対して行った暴言・暴力について謝罪するという内容が盛り込まれていたことが、一番の理由です。木村調教師が謝罪してくれたことにより、今回の裁判は終わりとなりますが、今回の訴訟を契機として、今後、競馬サークル、スポーツ界をはじめ、世の中から暴言・暴力がなくなることを願っています。また、受け取った和解金については、裁判を始める前から決めていたのですが、このようなことが今後起きないようにするためにも、お役に立てていただける機関や団体を探して、全額寄付したいと考えています。最後に、今まで私を励まし応援してくれた方々に感謝します。ありがとうございました。そして、一日でも早く新型コロナウイルスが終息することと、皆様のご健康を願っています。(原文のまま)

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