【エ女王杯】ウインマリリン初戴冠だ オールカマーからの4歳馬が好走

2021年11月9日 05:30

データから導き出されたのはウインマリリン

 過去10年の傾向から好走馬を探り出す「G1データMAX」。秋の最強牝馬決定戦「第46回エリザベス女王杯」は京都が改修中のため、今年も阪神で開催される。今秋のG1は目下、関東馬が3連勝中と勢い。今週も東から風が吹くのか。そんな流れを頭に入れつつ、勝ち馬に迫った。

 (1)世代 年齢別成績を見ると、成績がいいのは【6・3・7・45】の4歳馬だ。11年から毎年、必ず1頭は馬券に絡んでいる。昨年はラヴズオンリーユーが3着に入っている。一方、5歳馬は昨年こそワンツー決着だったが【2・2・1・49】でやや不振といえる。

 4歳の優勝馬6頭のうち4頭は、3歳時も女王杯に出走していた。11年優勝スノーフェアリー(10年1着)、14年ラキシス(13年2着)、16年クイーンズリング(15年8着)、18年リスグラシュー(17年8着)。2年連続で出走してきた馬が進化した姿を見せて、大人へと変貌を遂げている。

 (2)臨戦過程 近年のG1は休み明けでの「ぶっつけ本番」でもきっちりと走る傾向にある。ただ、このレースに限っては別だ。最も連対馬を出しているステップが府中牝馬S組で【4・5・4・47】を誇る。該当馬が多く連対率は15%と低めだが、16年から5年連続で馬券に絡んでいる。ただし、その5年で馬券になった9頭のうち8頭は府中牝馬Sで掲示板に載っていた。今年の該当馬アカイイトとデゼルは掲示板外。押さえくらいが妥当かもしれない。

 秋華賞組は【2・3・1・23】で連対率は17%。アカイトリノムスメが当てはまる秋華賞馬は【1・1・0・3】でG1を連勝したのは13年メイショウマンボのみ。サンプル数が少ないとはいえ、ハードルはかなり高い。他ではオールカマー組が【2・1・0・4】と良績を残す。連対馬3頭はいずれも掲示板に載っていた。今年はウインマリリン、ウインキートス、レイパパレが該当する。

 (3)秋トレンド 今秋のG1戦線はとにかく関東馬の頑張りが目立つ。出走馬は関西馬46頭に対して、関東馬は20頭。数の上で差をつけられているが、秋3戦(スプリンターズSはオール関西馬)を消化して【3・2・1・14】で連対率25%、複勝率30%に及ぶ。“少数精鋭”の印象だ。

 秋華賞がアカイトリノムスメ&ファインルージュ、菊花賞がタイトルホルダー&オーソクレースでともに関東馬のワンツーが完成した。天皇賞・秋はエフフォーリアが勝ち、グランアレグリアが3着。3戦連続で関東馬が勝ち、なおかつ2頭が馬券に絡んでいるのだ。98年を最後に、関東馬がJRA・G1で勝ち越した年は一度もない。今年はここまで関東馬9勝、関西馬は7勝。風は東から吹く。今回も7頭と数の上では少ないが、この流れからも大きな楽しみが持てる。

 【結論】ウインマリリンのG1初制覇に期待した。昨年もこのレースを走って4着。2年連続参戦の4歳馬は過去10年で4勝と相性がいい。好ステップのオールカマーをV。このローテで連対した3頭は、いずれも4歳馬だった。1年を経て、ドレスアップが完成。日経賞を含め、非根幹距離(400メートルで割り切れない距離)で重賞2勝しているのもいい。父スクリーンヒーローは08年にアルゼンチン共和国杯で重賞初V、続くジャパンCも勝った。娘も11月に飛躍する。鞍上の横山武は菊花賞、天皇賞・秋とG1連勝中。ノリノリの22歳を背に、ビクトリーロードを駆け抜ける。(データ班)

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