【ステイヤーズS】ディバインフォース覚醒V!ワークフォース産駒JRA重賞初制覇

2021年12月5日 05:30

田辺騎乗のディバインフォース(右手前)が競り勝ちスポーツニッポン賞ステイヤーズSを制する(撮影・西川祐介)

 師走の名物マラソンレース「第55回スポーツニッポン賞ステイヤーズS」が4日、開幕初日の中山競馬場で行われ、6番人気ディバインフォースがうれしい重賞初制覇。これがワークフォース産駒のJRA重賞初勝利となった。

 余りあるスタミナ。レース後、首を振って興奮気味だったディバインフォースの姿は3600メートルを走り切った直後とは思えない。寺島師は「やっぱりこの距離、舞台には適性がありました。北海道の競馬から小回りが合うと思っていて、3コーナーからスッと動けた」と笑顔で振り返った。

 JRA最長の平地重賞。ライバルたちが徐々に苦しくなったのが2周目の向正面。後方4番手を追走していたが、馬なりのままで位置が上がる。3角付近で鞍上がゴーサインを出すと、外から先行集団をまとめてクリアする。目標はあと1頭。ゴール前で失速したアイアンバローズを勢い良く抜き去った。テン乗りの田辺は「直線までどれだけ脚を余らせるか、だと思っていた。いい手応えで4コーナーを回れました」と納得の口ぶりだった。

 3歳時に芝2400メートル以上のレースで2勝。陣営は早くからそのスタミナを信じ、16番人気だった菊花賞を4着に善戦した。寺島師は「かねて長い距離に適性があると思っていた。(今年の)春も阪神で強い勝ち方(淡路特別をレコードV)をして馬の成長を感じていました」と花開いた才能に喜んだ。

 日本のステイヤーたちには新たな目標もできた。メロディーレーンも目標に掲げるサウジアラビアのレッドシーターフH(22年2月26日、芝3000メートル)。G3ながら1着賞金は2億円近い。「これで胸を張ってサウジに登録できる。次はサウジかダイヤモンドS(同2月19日、東京)になると思います」と師。3600メートルを走り切った先の世界は大きく広がっていた。

 ◆ディバインフォース 父ワークフォース 母ツクバビューティ(母の父ゼンノロブロイ)牡5歳 16年4月5日生まれ 栗東・寺島厩舎所属 馬主・吉田晴哉氏 生産者・北海道安平町追分ファーム 戦績23戦4勝 総獲得賞金1億4912万8000円。馬名の由来は「神聖な力」。

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