【エリザベス女王杯】ウインキートス 鞍上松岡のVイメージ「2番手から」

2022年11月11日 05:30

厩舎周りで運動するウインキートス(撮影・郡司修)

 牡馬と戦ってきた勇ましき“ウイン3本の矢”が女王杯を射止める。10日に出走馬が確定した「第47回エリザベス女王杯」(13日、阪神)にキートス、マイティー、マリリンの3頭出し。いずれも前走が牡馬混合G2・3着。牝馬同士なら前進して不思議はない。なお同レースは11日に枠順が決まる。

 赤地に黒縦縞(じま)。腕は白地で赤の一本輪。ウインが3騎で女王の座を獲りに来た。05年にダイヤモンドSをウイングランツで重賞初制覇。ウインブライトでは香港G1を2勝。長らくウインの主戦を務め、今回ウインキートスに騎乗する松岡は言う。「僕はいつクビにならないかヒヤヒヤしていますよ(笑い)。G1に3頭送り出すっていうのは凄いことですよね」。お世話になっている馬主に最敬礼した。

 先陣を切るのが松岡キートスの見立て。昨年の目黒記念を2番手から抜けだし、初重賞タイトルをゲットした。そこから待機策も試したが、白星は得られず。2走前から松岡が手綱を握って先行策に回帰。すると目黒記念、オールカマーとG2で連続3着。今回も行く気だ。「ローザノワールがきっといいペースで行くと思う。気難しいのでスタートが鍵だけど、それに付いて行くよ。ぴったり2番手のイメージ」と作戦をチラリ。続けて「マリリンがその後ろにいて、さらにマイティーという感じになるんじゃない」と3騎の位置取りを予想した。

 昨年は10着だったが、この1年での成長は確かだ。9日の最終追い切りでは大きく先行したリードホースを一瞬でかわし、ちぎって捨てた。宗像師は「前走はいい内容だったし、中間も順調。去年に比べて落ち着きがあるし、加齢とともにメンタルが成長している」と目を細めた。クラブの規定により原則として来年4月末での引退となる。女王杯への挑戦が最後となる5歳秋に完成の域に達した。

 天の恵みがあればなお良し。「乗ったことがあるマリリンも能力は高いけど、キートスも能力がある。雨が降ったらこの馬が一番かも」と鞍上は色気たっぷり。ライバルはもちろん、最後は同じ勝負服にも抜かせない。女王の座は一つなのだから。

 《19年香港G1・2勝のウインブライト以来G1制覇狙う》3頭を送り込むクラブ法人「ウイン」は19年のクイーンエリザベス2世C、香港Cを制したウインブライト以来となるG1制覇に挑む。JRA・G1を勝てば03年NHKマイルC(ウインクリューガー)以来19年ぶり。3頭を生産したコスモヴューファームにとってはJRA・G1初制覇がかかる。

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