【マイルCS】シュネルマイスター 今年こそ秋のマイル王へ進化!Wコースラスト1F11秒5
2022年11月17日 05:30 昨年2着のシュネルマイスターは美浦Wコースでラスト1F11秒5の好時計。濃霧を切り裂くように鋭く伸びた。1年たって進化した走りを見せつける。
コース全体が濃霧に包まれた早朝の美浦トレセン。Wコースでの最終追いに臨んだシュネルマイスターの姿を目視できたのは、残り1Fの標識から100メートル弱。3馬身ほど前にいたワーケア(5歳オープン)に、内から一瞬で馬体を併せる。そのまま再び白いモヤの中へと消えた。わずか数秒の出来事だったが、反応と加速の鋭さは十分に確認できた。「阪神への輸送に備え、パートナーに合わせる形での調教。いい動きでした」。手塚師もイメージ通りの調整に満足顔だ。
1週前には単走ながら、Wコースを1周以上するハードトレを敢行。7F96秒3~6F80秒4~5F66秒3と長めから計時し、ラスト1Fも11秒7にまとめた。「先週は彼にとっても自己最強の調教になったと思う」と指揮官。前回は初の1200メートル戦に備え、ラップを詰めるなどスプリント仕様の調教を施した。「今回は再び距離が変わるので、馬に“今回はマイルなんだよ”と教えるイメージで長めから追った」と計算ずくの調整過程を説明した。
その前走スプリンターズSは9着。師は「スタートはびっくりするくらい出たが、やはり流れが速く位置を下げてしまった」と振り返る。距離適性の壁に泣いたが、悪いことばかりではない。担当の名畑助手は「千二を使ったことで前向きさが出て、馬にやる気も感じる。角馬場などではダラダラ走る馬が、この中間はキビキビと体を使えている」と評する。激流の経験がいい刺激になったのも間違いない。
3歳で挑んだ昨年はグランアレグリアに3/4馬身及ばずの2着。「当時はやんちゃで元気いっぱい。年を重ねて体つきも変わり、普段のしぐさなども大人びた」。師はそう振り返り、力強く締めくくった。「今年はグランアレグリアのような絶対的な存在がいない。ベストの距離で何とかもう一つタイトルを獲らせたい」。復権へ、絶対に譲れない一戦だ。