【ヴィクトリアマイル】ナミュール初戴冠の時 4歳馬の若さと東京マイル適性

2023年5月9日 05:20

前走競馬場別成績

 過去10年のデータから勝ち馬をあぶり出す「G1データ王」。春のG1シリーズは高松宮記念、桜花賞、皐月賞で推奨馬が馬券絡みを果たしている。今週のマイル女王決定戦「第18回ヴィクトリアマイル」でデータ班が徹底分析した結果、導き出したのはあの4歳馬だ。

(1)年齢
 過去10年の年齢別成績は次の通り。
 4歳【4・6・2・61】
 5歳【4・3・7・58】
 6歳【1・1・1・23】
 7歳【1・0・0・5】
 現在主流のクラブ所有牝馬が6歳3月を引退時期に設定しており、基本は4、5歳馬狙いでいい。6歳以上の勝利は15、16年に連覇を飾ったストレイトガールのみとなっている。出走数の少ない7歳を除けば、連対率10%を超えているのは4歳馬だけ。昨年もソダシ、ファインルージュがワンツーを達成している。

(2)前走着順
 14年ヴィルシーナ(阪神牝馬S11着)、15年ストレイトガール(高松宮記念13着)が前走10着以下から巻き返して優勝。前走6~9着だった馬も4勝をマークしており、直近の成績は当てにならない。むしろ、前走1着馬は【0・3・0・38】と大不振なのが気になる。今年で言えば、阪神牝馬S勝ちサウンドビバーチェ、福島牝馬S勝ちステラリア、京都牝馬S勝ちララクリスティーヌは減点対象に。

(3)前走距離
 前走の主な距離別成績は次の通り。
 1200メートル【1・0・3・16】
 1400メートル【1・1・0・19】
 1600メートル【4・6・4・61】
 1800メートル【1・2・2・37】
 2000メートル【2・1・1・9】
 基本は1600メートルから連戦する馬をチョイス。13年ヴィルシーナ、21年グランアレグリアと大阪杯組が2勝を挙げており、2000メートル組も好成績を残す。1200メートルから距離を延ばす馬は1連対だけと割引が必要か。高い素質は認めるが、高松宮記念から参戦するナムラクレア、メイケイエール、ロータスランドは減点としたい。

(4)馬体重
 全10勝が499キロ以下の馬で、500キロ超の大型馬は不振を極めている。牡馬、牝馬の違いはあるが、約1カ月後に行われる安田記念は500~519キロの馬が連対率20%(2勝)だから対照的だ。開幕序盤の東京芝で求められるのはパワーより、切れ味。今年も500キロ近いパワフルなタイプは敬遠が吉かも。

(5)種牡馬
 ディープインパクトが【4・4・4・42】と圧倒的な数字を残してきたが、ついに今年はルージュスティリアの1頭だけに。その他に勝利を挙げた種牡馬はフジキセキ、クロフネ、ステイゴールド、ハービンジャー、ロードカナロアとなっている。今年、前述5頭の産駒はサブライムアンセム(父ロードカナロア)、ソダシ(父クロフネ)、ナミュール(父ハービンジャー)。その中でもハービンジャー産駒はレコードで制した19年ノームコアが【1・0・1・0】とほぼ完璧な成績を残している。

(6)結論
 ◎はナミュール。ソダシもほぼ全項目をクリアしたが、ここは4歳馬の若さを買いたい。前走・東京新聞杯2着で東京マイルへの適性を証明。意外にも出走数が少ないのだが、前走競馬場別では東京が【1・1・0・4】と勝率、連対率ともにトップなのも見逃せない。ナミュールはオークス3着、秋華賞2着とハービンジャー産駒らしくスタミナも兼備。現在、ヴィクトリアMは4年連続で安田記念より勝ち時計が速い。全体的な牝馬のレベルが上がり、タフなラップをこなしつつ府中の長い直線を耐えるスタミナも求められるようになった。G1無冠の大器が待望の初タイトルを手にする。(データ班)

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