【セレクトセール】キタサンブラック産駒1強時代 歴代2位5億9000万円&1歳牝馬最高4億円

2024年7月9日 04:50

5億9000万円で落札された「デルフィニア2の2023」(C)Japan Racing Horse Association

 キタサンブラック時代到来だ。日本最大級の競走馬セール「セレクトセール2024」が8日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで開幕。初日の1歳セリでは「デルフィニア2の2023」(牡)が税込みでは史上最高額となる5億9000万円(税抜き)で落札されるなど、キタサンブラック産駒が人気を博した。また、今春のG1で活躍したエピファネイア産駒も好調。4頭に3億円超えの高値がついた。

 セリが始まると次々と声がかかり、瞬く間に金額が上がっていく。上場100頭目「デルフィニア2の2023」にロデオジャパンが投じた金額は会場もどよめく5億9000万円。1歳セリ史上最高額。税込み価格では、06年当歳セリのディナシー(6億3000万円)を超える歴代最高額(6億4900万円)となった。

 愛G1・2勝のアゲインを祖母に持つ良血。社台スタリオンステーションの徳武英介場長は「ヨーロッパ特有の重厚感があるし、父方のサクラバクシンオーから来るスピードがうまくかみ合っている。骨格が良く動きが大きく、キタサンブラックのようですね。“これならヨーロッパでも走れるのでは”と思わされるね」と高く評価。ノーザンファームの吉田勝己代表も「これが一番高くなると思っていた。走る感じがしますね」と素質にほれ込んでいる。

 キタサンブラック旋風はこれだけにとどまらない。セール常連のダノックスが落札した「アスコルティの2023」は1歳セリ牝馬最高額となる4億円。昨年阪神JFを制したアスコリピチェーノ(父ダイワメジャー)の妹という良血だ。ダノックスの岡田良樹ディレクターは「血統背景が良くて、初めて馬を見た時から気に入っていた」と一目ぼれを告白する。ダノックスは同じくキタサンブラック産駒の牝馬「マハゴニーの2023」を8000万円で落札。「今回はキタサンブラックという血統にこだわったんです。うちは牡馬が多かったので、牝馬に力を入れようと思って。多彩な路線で活躍してくれるからね」と偉大な父のDNAへの期待感を口にした。平均落札額が1億6283万円だった昨年に続く大盛況。初年度産駒から歴史的名馬イクイノックスを出したキタサンブラックへの期待はまさに天井知らずだ。

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