【函館記念】ホウオウビスケッツ天井知らず!Wコースで2馬身突き抜けた、岩田康「いい動き」

2024年7月11日 05:23

函館Wコースで併せ馬で先着したホウオウビスケッツ(撮影・千葉 茂)

 夏の函館を締めくくる名物ハンデ重賞「第60回函館記念」(サマー2000シリーズ第2戦)の最終追い切りが10日、行われた。前哨戦・巴賞を快勝したホウオウビスケッツが函館Wコースで岩田康を背に豪快に先着した。05年エリモハリアー以来、19年ぶりに巴賞1着馬による函館記念Vの期待が膨らむ。JRA2歳重賞第1弾「第56回函館2歳S」は東京新馬戦で7馬身圧勝のサトノカルナバルが大物感十分の好気配だ。

 天井知らずとはこのこと。巴賞を快勝したホウオウビスケッツが上昇ムードだ。連続騎乗の岩田康が騎乗し、Wコースで5F67秒0~1F12秒4(強め)。ショウナンアメリア(5歳2勝クラス)を8馬身追走して内へ。一瞬で肉薄。グイッと2馬身前に出た。体ははちきれんばかり。よほど函館の水が合うのだろう。
 岩田康は「いつも動くんでね。ただメンコ(覆面)をしている効果で、巴賞の時よりも落ち着いていた。体もグッと良くなっているし、中1週なのにいい動きだった」と確かな手応え。函館に駆けつけた奥村武師も「良かったですね。馬は元気いっぱい。中1週でも巴賞がダメージがない競馬だったので、馬がケロッとしている」と目を細める。

 昨春ダービー(6着)で勝ち馬タスティエーラから0秒2差の実績馬。ただ、1年以上収得賞金(競走条件を区分するための賞金)を加算できず、巴賞は“背水の陣”だった。問答無用に逃げて圧勝。鞍上は「絶対に勝たなければならなかったので、ゲートも出した」と振り返る。巴賞Vで賞金加算、函館記念のゲート入りがかなった。

 明け4歳の成長期。ダービーで近くにいたソールオリエンス、ベラジオオペラは今春G1で好走した。ビスケッツも悲願の重賞初Vはもちろん、G1再進出が夢だ。岩田康は「ダービーは折り合って、あれだけ走っている。燃え過ぎずに2コーナーまでうまく運べれば」と闘志を燃やした。指揮官も「前回の追い切りより落ち着いているので滞在効果もあると思う。重賞を獲れるだけの馬。決めつけずリズム良く運べれば。ハンデ(57・5キロ)を乗り越えて頑張ってほしい」と人馬に託した。メンバー屈指の充実で、05年エリモハリアー以来の巴賞1着→函館記念1着をつかみ獲る。

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