【大井・東京大賞典】29日15時40分出走・国内最強クラスのダートホース終結!
2024年12月28日 09:00 24年のダート競馬を締めくくるGⅠ「第70回東京大賞典」があす29日、大井競馬場(東京都品川区)で開催される。今年は10頭立てと頭数こそ少ないが、国内最強クラスのダートホースが集結。中でも国内無敗の3歳フォーエバーヤングとレース3連覇を狙う賞金王ウシュバテソーロの激突は必見。砂の覇権を懸けた熱戦に期待が高まる。
国内最強の座は譲れない。フォーエバーヤングはキャリア8戦6勝。敗れたのは米GⅠ2戦、ケンタッキーダービー(3着)とBCクラシック(3着)だけだ。今年唯一の国内戦だった秋初戦のジャパンダートクラシックは約5カ月ぶりで完勝。2番手から手応え良く直線へ。坂井の左ステッキに応えて先頭に立ち、追い上げるミッキーファイトに1馬身1/4差のセーフティーリードを守り、同世代のライバルに貫禄を示した。
春に海外を転戦した経験が生きた。サウジ、UAEダービーを連勝しケンタッキーダービーへ。ドバイからベルギーを経由して米国入り。到着後に42時間の検疫があり、その後は馬運車で10時間の輸送。担当の渋田助手は「馬が寂しがっちゃって」と振り返り、元気がない状態だったが、調教で手を尽くして態勢を整えた。レースは勝ち馬ミスティックダンから鼻+鼻差の大接戦。世界の強豪と渡り合い、精神面でたくましさを増した。
前走BCクラシックも悔しい3着だったが、日本の年長馬ウシュバテソーロ、デルマソトガケに先着。調教役の荒木助手は「春の遠征に比べて調教はやりやすかったです」と成長に目を細める。敗戦を糧にしてさらなる飛躍を期待した。
帰国初戦に向け乗り込みは順調。徐々にピッチを上げ気配は上向きだ。荒木助手は「恥ずかしい状態では出せないです」と気を引き締めた。今年ラストをVで締めくくり、日本の絶対エースの実力を見せつける。
そのBCクラシックで、よもやの10着大敗を喫したウシュバテソーロ。7歳の冬を迎え、競馬へ向かう気持ちの変化が見られた。高木師は「馬体は全然年老いていない気がするけど、気持ちですね。促さないと上がっていかない」と課題を口にする。そこで陣営は中間の調教からブリンカーを着用。行きたがるそぶりはなく「凄く乗りやすくなったようです」と成果を得られた。東京大賞典は22、23年と連覇中。昨年にはBCクラシックと並ぶダートの世界最高峰レース「ドバイワールドC」を制し、獲得賞金は歴代1位の22億円超。本来なら3歳フォーエバーヤングを迎え撃つ立場。メンタルの課題さえ克服すれば3連覇も見えてくる。
同じ勝負服のウィルソンテソーロも今年はJBCクラシック(佐賀)で念願のビッグタイトルを獲得。前走チャンピオンズCでも、引退した王者レモンポップを鼻差まで追い詰めた。前走後、デビュー時に所属した高木厩舎に再転厩。心機一転、昨年2着の雪辱を期す。
他にも来年2月に定年解散を控える音無厩舎のデルマソトガケ、チャンピオンズCから目標を切り替えた今年の東京ダービー馬ラムジェットなど伏兵陣も虎視眈々(たんたん)。世代交代か、王座防衛か、はたまた波乱の結末か。あす29日のゲートインが楽しみだ。