【朝日杯FS】アドマイヤクワッズ 友道厩舎新エースの道へ! 名伯楽称賛「2歳馬とは思えない精神力」
2025年12月18日 05:30 無敗Vへ突き進む。2歳マイル王決定戦「第77回朝日杯FS」の追い切りが17日、東西トレセンで行われた。新馬、デイリー杯2歳Sとデビュー2連勝中のアドマイヤクワッズは栗東坂路単走で力強い脚さばき。冠名「アドマイヤ」で友道康夫師(62)の管理馬といえば昨年覇者アドマイヤズームと一致。厩舎の先輩の背中を追いかけ、大舞台でも才能豊かな走りを見せる。同レースは18日に出走馬が確定、19日に枠順が発表される。
友道厩舎流の万全仕上げだ。アドマイヤクワッズの調整過程は前走デイリー杯2歳Sと同じ。1週前追いは坂井を背にCWコース併せ馬で負荷をかけ、レース当週は安田助手を背に坂路単走でサラッと。ハロー(整地)明けから20分が過ぎ、荒れた馬場を真っすぐに駆け上がった。前半2F(400メートル)を14秒9→14秒1でゆったり入り、馬なりのまま加速して12秒9→12秒9のラップ。稽古をつけた安田助手は「時計は予定通り。元々、坂路ではそんなに動く馬じゃないけど最後までしっかり走れていました。いい状態だと思います」と穏やかな口ぶりだった。
デビュー前の9月上旬から2走目まで2カ月以上、栗東に在厩したが中4週となるこの中間は、いったん放牧を挟んだ。友道師は「暑い時季からずっと厩舎にいたので放牧に出しました。うまくガス抜きができたと思います」と目を細めた。牧場にいたのは10日ほど。短期間でも着実に成長を遂げ「前回と比べても跳びが大きくなった気がします。先週の追い切りに乗ったジョッキー(坂井)もそう言っていたし、迫力が出てきました」と変化を感じている。
ここまで2戦とも着差こそ、わずかながら凄みのある勝ちっぷり。東京マイルの新馬戦は先行勢が有利な流れの中、メンバー最速の上がり3F33秒3と強烈な切れ味で3/4馬身差V。2走目は直線、2着馬(カヴァレリッツォ)との追い比べでもうひと伸び、2歳コースレコードを叩き出し頭差の接戦をものにした。「オンとオフの切り替えがうまく、2歳馬とは思えないくらい精神力の強さが備わっています。勝負根性を発揮してくれました」と回顧。キャリアの浅さを補って余りあるセンスの良さも兼ね備えている。週末の雨予報にも「スピードだけじゃなく、栗東のウッドチップでも時計が出るようにパワーがあるので」と不安視していない。
友道厩舎は当レース3勝。ダービー3勝のクラシック常連厩舎が2歳G1でも結果を残している。当然、トレーナー自身がそういう話題を気にしている様子もなく「うちの厩舎の記録より、アドマイヤクワッズが何とかG1を勝てれば」と熱い思いを口にし「来年、2歳チャンピオンとして大舞台に立ちたいですね」と力を込めた。2歳マイル路線の頂点に立ち、名門厩舎の新エース候補に名乗りを上げる。

