【香港ヴァーズ】キセキ、皮膚病で隔離 日本馬連覇に暗雲…

2017年12月5日 05:30

皮膚病を抱えていることが発表されたキセキ

 今年の3歳馬は超が付くほどのハイレベルだ。エリザベス女王杯でモズカッチャン、マイルCSでペルシアンナイトが、それぞれ古馬を撃破してG1初制覇。さらに先日のジャパンCでレイデオロが2着。シュヴァルグランには及ばなかったが、“現役最強馬”キタサンブラックには先着。そんな黄金世代の遅れてきた大物がキセキだ。空前絶後の道悪となった菊花賞でG1初挑戦初制覇。その後は放牧を挟み香港遠征に照準を定めた。

 しかし、1日の香港到着後はシャティン競馬場に滞在して調整を続けていたキセキに思わぬ暗雲が垂れ込めてきた。主催の香港ジョッキークラブが4日、同馬が左前肢に皮膚病を抱えているため、検疫厩舎内で他馬と隔離された馬房に移動させていると発表したのだ。症状は白癬(はくせん)にあたるものとみられ、感染の恐れがあるため隔離の措置が取られたもよう。症状そのものは軽微とのことだが、同クラブは今後について「適切な時期に発表する」としている。

 先月29日の国内最終追いはM・デムーロを背にして坂路へ。時計こそ4F54秒1〜1F12秒7と地味だったが好調をアピール。主戦は満足げな笑みで「前走と変わらず、いい状態。ただ、去年の香港みたいなボコボコした馬場だと心配。菊花賞は道悪で勝ったけど、キセキは奇麗な馬場の方がいい」と話した。

 父ルーラーシップは国内のG1では惜敗が続いたものの、5歳時のクイーンエリザベス2世CでG1初制覇。父キングカメハメハ×母エアグルーヴの良血はもちろん、この1勝も評価されての種牡馬入りだった。

 あれから5年8カ月。この日判明したアクシデントが心配されるが、思い出の香港で、今度は息子が日本馬によるヴァーズ連覇を目指す。

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