【NHKマイルC】ルーカス“不動心”悪条件でも半馬身先着!
2018年5月4日 05:30 早朝の美浦を直撃したメイストーム。強風が吹き荒れ、大粒の雨が叩きつける中、ルーカスは馬場へと歩を進めた。まずは7頭で隊列を組んでダートコースを半周。地響きのような風の音に動じることもなく、向正面まで流してWコースへ移動。ハナレイムーン(4歳1600万)を1馬身追いかける形でスタートした。3角で内に馬体を併せ、直線はびっしりと併走。ゴール前で手綱をしごかれ気合を注入されると、ギアを上げて半馬身先着した。
「馬場が重たい中、いい動きをしていたし、引き揚げてきた際の息遣いも良かった」。森助手は動きについては合格のジャッジ。続けて中間の調整過程に触れた。「前走(スプリングS9着)はレース前に負荷を掛けすぎて、馬にダメージが残ってしまった。今回は普段のキャンターから控えめに調整してきた」。一方で、最終追いは馬なりが基本の堀厩舎にしては、ゴール前でしっかりと追った。「この中間、走りに集中しない面が見られたので、その点を確かめ、気を乗せる意味があった。雨風が強い中、最後まで気持ちが途切れることなく走れていた」。繊細な調整に絶妙なスパイスを効かせた。
全兄は日本、香港でG1・6勝を挙げ、15年年度代表馬に選出されたモーリス。森助手は偉大な兄と比較して「まだまだですね。必要な筋肉が付き切っていないし成長途上」と冷静に分析する。その上で「完成するのは秋以降。それでも現時点で、いい状態でG1に出走させられる段階まで来た」と評価する。
マイルは初めてだが「府中は千八(東スポ杯2歳S2着)を上手に走っているので問題ない。跳びが大きい馬で、広いコースは力を出せる舞台」と歓迎。「世界有数のジョッキーが、新たな面を引き出してくれれば」と、新コンビを組むボウマンにも期待を込めた。モーリスのG1初挑戦は4歳春の安田記念。兄より1年以上早く、G1舞台に駒を進めた弟が、どんな走りを見せるのか。