世界を酔わせる武豊 今週末もフランスで“祝杯”挙げる
2018年7月20日 05:30 【競馬人生劇場・平松さとし】現在フランスでこの原稿を書いている。22日、同国で行われるレースに松永幹夫厩舎のジェニアルとラルクが出走を予定。それを見るためにこの地に入った。
現地入りしたのは17日の火曜日。騎乗予定の武豊騎手に早速、食事に誘っていただき、一杯やるうちにさまざまな事が思い出された。JRA通算4000勝に迫っている同騎手だが、海外でも100以上の勝ち鞍を挙げている。中でも最も多く勝っているのがフランスだ。
リーディングジョッキーの名をほしいままにしていた2000年から、彼はあえて日本を飛び出した。00年には米国、01、02年にはフランスに拠点を置き、世界に挑んだのだ。私は何度も応援に駆け付けた。そんな中、フランスで印象に残った一日がある。01年10月7日。10月の第1日曜は言わずと知れた凱旋門賞当日で、日本の天才ジョッキーもロンシャン競馬場で騎乗していた。
まずは凱旋門賞の約2時間前に行われたアベイユドロンシャン賞。直線1000メートルのこのG1で、インペリアルビューティーに騎乗した武豊騎手は見事に同馬を先頭でゴールに導いた。彼にとっては1999年のアグネスワールド以来2度目の同G1制覇を飾ると、その3レース後に行われた凱旋門賞では10番人気の伏兵サガシティーを駆って3着と好走。地元ファンからも喝采を浴びた。
この2頭に共通していることは“日本人が全く手掛けていない馬”という点である。インペリアルビューティーを管理するJ・ハモンド師はフランスに武豊騎手を招いた人物。サガシティーを管理していたのは、かの地の大調教師でもあるA・ファーブル師。そういう馬で結果を残す姿はさすがと思わせたものだ。
数少ない世界を酔わせる日本人ジョッキーが、今週末のフランスでも活躍することを期待したい。