菜七子 勢い止まらん!初の月間5勝、良血マルーンG1狙える
2018年8月27日 05:30 新記録達成翌日も、菜七子の勢いが止まらない。新潟6R。以前から素質を高く評価するマルーンエンブレムに騎乗すると、内ラチ追走から巧みなコーナーワークで外へ持ち出すと、満を持して直線でメンバー最速3F34秒1の豪快な末脚をサク裂させた。
「凄く賢い馬。今までの競馬を全て覚えていて、3角で自分からハミを取ってくれた。自分としてはあとは仕掛けるタイミングだけ。外回りなので、追いだしを我慢しながら、4角で少しずつ出していった。直線では本当にいい脚を使ってくれました」
最近は“逃げの菜七子”で白星を積み重ねていたが、この日は2着馬に1馬身1/4差をつける会心の差し切り勝ち。充実の笑顔で通算36勝目を振り返った。
マルーンエンブレムは、父が3冠馬オルフェーヴル、母が08年の秋華賞を制したブラックエンブレム、さらに母父は米2冠馬ウォーエンブレムという超良血馬。きょうだいにも、半兄ブライトエンブレム(14年札幌2歳S1着)、半兄アストラエンブレム(17年エプソムC2着、新潟記念2着)と重賞活躍馬が並ぶ。
菜七子はデビュー2戦目からマルーンエンブレムとコンビを組み、3戦で2勝2着1回。同馬を管理する小島師も「強かったね。今日もジョッキーが上手に乗ってくれましたよ」と鞍上に感謝すれば、所有するシルクレーシングの米本昌史代表も「内に包まれたら嫌だなと思っていたが、外に出すタイミングも含めて、完璧な騎乗に見えた。言うことはないんじゃないでしょうか?今後も乗っていただきたい」とコンビ継続を明言した。
その今後について、小島師は青写真をこう描いた。馬体重382キロと小柄で、まだ体質面に不安も残るだけに、「理想は牧場で体を増やしたい。この後は放牧に出して、(秋華賞トライアルの)紫苑Sは見送ると思う。夢は何年後かのエリザベス女王杯ですね」と、菜七子と挑むG1舞台を見据えた。
JRA開催日3日連続勝利で月間5勝。自身の誕生月の8月に光り輝いた菜七子は「(マルーンエンブレムは)凄く能力があって、この先も凄く楽しみな馬」。次のステージはJRA女性騎手初となるG1騎乗、そして重賞V。この相棒は離せない、離さない。