【新潟2歳S】コール剛脚爆発V、大外一気 上がり最速33秒1

2018年8月27日 05:30

新潟2歳Sを制したケイデンスコール(左)、2着のアンブロークン(右)、3着のスティルネス(中央)=撮影・郡司 修

 雨が残るやや重の新潟ターフ。道中8番手をゆったり進んだケイデンスコールの石橋は4コーナーで迷わず大外に進路を取った。内でアンブロークン、スティルネスも懸命に粘るが、ねじ伏せるように首を伸ばした。上がり3Fはメンバー最速の33秒1。新馬戦(2着)33秒1、前走・未勝利戦(1着)33秒7に続き3戦連発で最速3Fの鬼脚を繰り出し、新潟チャンプに輝いた。

 1番人気に堂々と応えた初騎乗の石橋は「ホッとしました」と本音で切り出した。土曜夜から断続的に降る雨の影響を考慮し、戦略は練っていた。「雨が降った影響で(コースの)外側が伸び始めていた。外回りだから、慌てなくてもいいと思っていた。切れるのは分かっていたので」とその瞬発力に全幅の信頼を寄せていた。

 一方、管理する安田隆師は出張先の札幌で歓喜に酔いしれていた。同馬の父ロードカナロアは自ら手掛け、12、13年香港スプリント連覇などG1・6勝を挙げ、13年に年度代表馬に輝き、今年は顕彰馬に選出された。今春の牝馬2冠アーモンドアイなど同産駒の重賞は5勝目だが、安田隆厩舎では初タイトル。指揮官は「カナロアの子で勝てたのがうれしい。今日の競馬を見ていると外から来ている馬が伸びていた。頭数も手頃でうまく運んでくれた」と冷静沈着でクレバーな騎乗を称えた。

 これで貴重な賞金加算に成功。偉大な父に続くG1制覇の夢が広がった。石橋は「調教もしっかりやってくれているし、競馬を教えてくれている。僕はいい時に乗せてもらっただけ。緩さが残る中、これだけの競馬ができた。先が楽しみ」と成長を保証。安田隆師は「今後は放牧でリフレッシュ。馬にオンとオフを覚えさせたい。暮れの1600メートル(朝日杯FS=12月16日、阪神)を目標にやっていきたい」とG1獲りの明確なビジョンを掲げていた。

 ◆ケイデンスコール 父ロードカナロア 母インダクティ(母の父ハーツクライ)牡2歳 栗東・安田隆厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦2勝 総獲得賞金3919万2000円。

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