【菊花賞】“逃争心”ジェネラーレ、展開の鍵握る

2018年10月17日 05:30

洗い場で舌を出すジェネラーレウーノ(撮影・平嶋 理子)

 【G1ドキュメント・美浦=16日】小田にとっては5カ月ぶりの栗東出張。16日の栗東は厩舎レクで基本は“全休日”。菊花賞&富士S登録馬で事前申請した23頭だけが馬場入りした。閑散とした角馬場を小田が双眼鏡で眺めると、先週13日に栗東入りした関東馬ジェネラーレウーノがキャンターで体をほぐしていた。横に付きっきりで矢野師の姿が。美浦にいる時と同様、馬の息を感じる場所で陣頭指揮をとる流儀は変わらない。

 約40分間、じっくり時間をかけてキャンター。愛馬と一緒に馬道出口から出てきた指揮官を小田は小走りに追った。「(13日に)栗東に着いた直後はイラついたみたいだけど、落ち着いていい感じ。基本的には食欲は旺盛。今のところ、うまくいっている」。師の表情に笑顔が浮かんだ。早めの栗東入りは「レース直前に(美浦〜京都間の)長い輸送はさせたくなかった」(同師)と明確な意図がある。

 休み明けの前走・セントライト記念は離れた2番手で折り合い、力強く抜け出す横綱相撲。「あういう形でも本来走れる馬。ダービー(16着)は皐月賞(3着)で3頭横並びで行ってしまったことでヤル気になり過ぎた。装鞍所やパドックからうるさかった。ただ、あの闘争心がこの子を支えているとも言える」(同師)

 1月の京成杯も制し、ダービーを除けば、全て3着以内の堅実派。先週11日の美浦では火花が散る併せ馬。順調すぎるほどの調教過程を歩んでいる。同師は17日も栗東に残り、最終追いを見守る。「日曜(14日)も時計が出るくらいのところを乗っているし、中間も十分やってきたので、速いのは必要ない。スタミナはあるし心臓も強い。ハナに行く気持ちで…。京都3000メートルは悪くないと思う」

 屈指の持久力。2周目3コーナーの坂の下り、ロングスパートで後続を引き離すシーン…までは小田の脳裏にクッキリと浮かぶ。そこから差されるか、否か?展開の鍵を握る存在なのは間違いない。

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2018年10月17日のニュース