【大阪杯】ブラスト90点 成熟して躍動感たっぷり

2019年3月26日 05:30

躍動感たっぷりのブラストワンピース(撮影・西川祐介)

 ごつい幹から直接芽吹く桜を「胴吹き桜」といいます。枝にはつぼみしか付いていないのに、幹には花が咲いている。樹勢の良い幹に起こるそうです。胴吹き桜を馬になぞらえれば、ブラストワンピース。乙女のような馬名からは想像できないごつい馬体が一段とごつさを増してきた。発達し切った肩と首。桜の厚手の樹皮を全身にまとったような筋肉が春の日差しに浮き立っています。この数カ月の間に母の父キングカメハメハのマッチョな体に一層近づいてきた。

 筋肉が隆起し、首が太く、背と腹下が短い。典型的なマイラー体形です。菊花賞の3000メートルを走るには筋肉が立派すぎました。有馬記念の2500メートルも少し長い気がしましたが、古馬勢を抑えてG1初制覇を飾りました。気負わずに折り合える精神力が体形的な限界を超えたのです。2000メートルになれば、さらにレースはしやすくなります。

 いまにも歩き出しそうな躍動感あふれる立ち姿は有馬記念時と同じです。だが、膝下に目を移すと、違いに気付く。これまで肢巻きの下にのぞいていた白い湿布が消えています。脚元の懸念がなくなったのでしょう。桜の幹のようにごつい馬体から芽吹く2つ目の白い花。春に咲く胴吹き桜のワンピースです。

特集

2019年3月26日のニュース