令和初の馬名冠レース誕生!弥生賞20年から「弥生賞ディープインパクト記念」に改称

2019年10月9日 05:32

05年弥生賞を制したディープインパクト

 JRAが来年3月に施行するクラシック登竜門「弥生賞」のレース名を「弥生賞ディープインパクト記念」と改称することが8日、分かった。今年7月30日に急死した希代の名馬の現役時、そして種牡馬としての活躍を称えての改称となった。

 ディープインパクトは現役時、デビュー3戦目の弥生賞で重賞初制覇。そこから皐月賞、ダービー、そして菊花賞へと無敗を続け、3冠馬へと飛翔したことから、この一戦こそがディープの冠を付すにふさわしいと意見集約された。急死後、8月3、4日には「ディープインパクト追悼」の副題を付した競走が札幌、新潟、小倉で計6競走行われた。

 JRAの重賞では史上初の3冠馬の名を冠した「セントライト記念」、戦後初の3冠馬をレース名にした「シンザン記念」が現在、施行されており、馬名を冠した重賞は「弥生賞ディープインパクト記念」で3例目。セントライト記念は1947年、シンザン記念は1967年に創設されており、馬名を冠したレース名(サラブレッド競走)の誕生は52年ぶり。平成、令和では初めてのこととなる。

 ディープインパクトは現役時14戦12勝(G17勝)。武豊騎手が「走っているというより飛んでいる」と表現した圧倒的な走りで無敗の3冠を成し遂げ、世間にもその名を広く知らしめた。06年有馬記念を最後に引退して種牡馬入り。ジェンティルドンナ、キズナなど名馬を多数輩出し、7年連続リーディングサイヤーに輝いた。

 6日の凱旋門賞にも産駒のフィエールマンが出走(12着)。昨年の英2000ギニー馬サクソンウォリアーが欧州No・1の種馬場であるアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りし、すでに初年度165頭に交配するなど、依然としてその影響力は健在だ。

 ▼弥生賞 皐月賞トライアル(3着まで優先出走権)。1964年創設。当初は芝1600メートル。84年から芝2000メートルに。73年ハイセイコー、83年ミスターシービー、84年シンボリルドルフと日本の競馬を彩った名馬が優勝している。

 ▼弥生賞を勝ったディープ産駒 13年カミノタサハラ、16年マカヒキ、17年カデナ、18年ダノンプレミアム、19年メイショウテンゲン。現在、4連勝中。

 《レース名副称には「トキノミノル」》正式なレース名ではないが副称としては現在、共同通信杯の「トキノミノル記念」がある。かつてはタマツバキ記念、セイユウ記念、シュンエイ記念といったアラブ系の名馬の名を冠したアラブ重賞もあったがアラブ競馬の廃止とともにレースもなくなった。クモハタ記念、カブトヤマ記念も時代の変遷とともにその名を消した。地方では笠松競馬にオグリキャップ記念など地元出身の名馬の名を冠したレース名がある。

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