【ホープフルS】オーソリティに宿る血の力 暴れん坊の父オルフェに偉大な祖母シーザリオ

2019年12月26日 05:30

<ホープフルS>ゴールデンブレイヴ(右)、フレッチア(左)と併せ追い切るオーソリティ(撮影・郡司 修)

 【G1ドキュメント・美浦=25日】師走の美浦ですっかりおなじみとなった赤ジャンパーを、浜田は双眼鏡越しに追った。最終追いに向かうオーソリティの馬上には、栗東から駆け付けた池添。有馬記念に出走したフィエールマンの調教など、これで3週連続の美浦来場となった。Wコースの3頭併せ。ゴールデンブレイヴ(6歳オープン)が先導し、後ろをフレッチア(4歳3勝クラス)が追走。直線は2頭の間に入り、左右からのプレッシャーにひるむことなく加速。馬なりのままきっちり半馬身先着した。

 「内の馬が来るのを待って促したが、それ以上、手を動かす必要がなかった。動き、息遣いともに申し分ない。先週よりもいいね」。2週続けて感触を確かめた池添は満足そうに口火を切った。「体は夏を越していい形で成長している。レースも上手に走ってくれるし楽しみですね」

 自身が手綱を取りG1・6勝を挙げたオルフェーヴルの産駒。「馬場入りの際に鳴いたり気性面はまだ子供。体もまだ緩さがある」。キャリア2戦の“息子”をそう評した上で続けた。「オルフェーヴルも最初はゲートでビービー鳴いていたし、フニャフニャな体からどんどん良くなっていった。そういう点では父に似ているんじゃないですか」

 一方、管理する木村師は母系の偉大さを強調した。「まだまだ成長途上の中でポンポンと2つ勝ってきた。シーザリオの血は本当に凄いと思う」。一族から多数の活躍馬を出す祖母。叔父にあたるサートゥルナーリアは昨年のこのレースを勝ち、無敗のまま皐月賞も制した。良血ファミリーからまた一頭、G1ウイナーが誕生するか。

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