【ドバイターフ】アーモンド 連覇へ“GO快”国内最終追い 単走馬なりで伸び伸び「状態昨秋よりいい」

2020年3月17日 05:30

<ドバイ遠征組国内最終追い切り>坂路で軽快な動きを見せたアーモンドアイ(撮影・郡司 修)

 ドバイ行ける!連覇が見えた!!ドバイターフ(28日、メイダン芝1800メートル)に向け、アーモンドアイ(牝5=国枝)が16日、国内最終追いで躍動した。ガルフニュース電子版によれば、UAE(アラブ首長国連邦)は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、17日から全ての国を対象に新規ビザの発給を原則停止するとしていたが、日本をその対象から除外すると発表。ドバイへの日本馬、関係者の移動が問題なく可能となり、無事に出走できることが確実となった。レース史上初の連覇へ。日本の至宝が中東から元気の出るニュースを届ける態勢が整いつつある。

 日の出前、漆黒の闇に包まれた午前4時の美浦トレセン。アーモンドアイは、同じくドバイに遠征する僚馬カレンブーケドールと共にコースに入った。角馬場で準備運動を終えると坂路へ。単走馬なりで4F56秒6~1F13秒1。軽めに流したが、先週12日にWコースで5F63秒9~1F11秒8の好時計をマークしており、これで十分。国枝師も「予定通り。先週が素晴らしい動きだったし、何の問題もない。状態は昨年の秋よりもいいよ」と、満足顔で愛馬を出迎えた。

 レース史上初の連覇が懸かる一戦だが気負いはない。「昨年は気候も良くて思った以上に環境に適応していた。今年が同じ気候とは限らないが、一度経験しているわけだし何の心配もない」と師。「チャンスさえ与えてもらえれば、いいパフォーマンスを発揮できる馬。今年も新しい記録をつくってくれる」と愛馬への信頼は揺るぎない。

 全世界がコロナウイルスに揺れる中での遠征。「いろんな話が出ているが、我々は粛々と準備を進めるだけ。ルメールも最悪のケースを考えて、早めにドバイに入るのだから」と師。ただ、日本は米国、英国、フランス、ドイツ、香港などとともに普段通りのUAEへの出入国が可能となった。関係者は、ほっと胸をなで下ろした。

 期するものがある。東日本大震災の直後に行われた11年ドバイワールドCでは、ヴィクトワールピサが日本馬初V。悲しみと不安に包まれた日本に希望の光を届けた。「本来ならスポーツで盛り上がる季節に残念な自粛ムードが続いている。何とか皆さんにいい記事を書いてもらえるよう頑張りたいね」。静かに締めくくった指揮官。沈滞ムードの日本に少しでも明るい話題を届けたい。レース当日は無観客のメイダンだが、指揮官の耳には日本からの声援が聞こえるはずだ。使命を胸に、希代の女傑は18日、ドバイへと旅立つ。

特集

2020年3月17日のニュース