【日本ダービー】津村ダービー初騎乗 好時計ビターで挑む

2020年5月28日 05:30

カウイダンス(左)と併せ追い切るビターエンダー(撮影・郡司 修)

 【G1ドキュメント・美浦=27日】ある調教師からささやかれた言葉が、浜田は耳から離れなかった。「今年のダービー、コントレイルの後ろから行って差し切れる馬はいないぞ」。穴をあけるとすれば先行馬。注目はプリンシパルSで好位から抜け出したビターエンダーだ。最終追いはWコースの併せ馬。カウイダンス(3歳未勝利)の内で1馬身遅れる形になったが、手綱を取った津村は満足の表情。「相手が動くので劣勢だったが仕上がりは問題ない。そんなにやるつもりはなかったのに時計(5F65秒5)も出た。中2週続きだが硬さもない」

 デビュー17年目34歳。中堅となった津村だが、意外にもダービーは今回が初騎乗だ。「ダービーは遠い存在だった。これまで“乗れるかも”というチャンスすらなかった」と振り返る。その上で「今回は自分で権利を勝ち取って、しかもデビューからお世話になっている相沢厩舎の馬で臨める。お客さんがいないのは寂しいが、やっとダービーに乗れるうれしさをかみしめて楽しんで乗りたい」と笑顔を見せた。

 ピンチもあった。権利を奪取したプリンシパルSの翌日、東京9Rで落馬。左腕を負傷した。この2週は大事を取って騎乗せず、大一番に備えてきた。「超音波治療や酸素カプセル。ダービーに乗りたいというモチベーションを持って、やれることはやってきた。まだ少し痛みはありますが、当日はアドレナリンが出るから大丈夫でしょう」。相棒についても「不器用なので広い東京が向いています。ある程度の位置でリズム良く運べれば」とイメージはできている。「馬は仕上がったので、あとは自分の体を仕上げるだけです」。いつも取材に丁寧に応じてくれるナイスガイ。悲願かなった大舞台での激走を願わずにはいられない。

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