【日本ダービー】歓声なくとも妙味あり…馬券は「堅いし荒れる」

2020年5月30日 05:30

<日本ダービー>1番人気の成績(表1)

 無観客競馬って…馬券は堅いの!?荒れるの!?読者の皆さまの素朴な疑問にお答えすべくスポニチ競馬データ班が2月29日から5月24日までJRAで実施された無観客開催計912競走を徹底検証。31日に行われるダービーにも応用できる無観客競馬の攻略法を伝授する。

 歓声が消えた競馬場。「お客さんがいないのは寂しいけど競走馬にとっては全能力を発揮できる環境に近いことは確か。いつもより冷静な馬が多い」。これは毎年リーディング上位に入る有力調教師の弁だ。他の騎手や関係者もほとんどが同じコメント。この証言を基にデータを検証していく。

 (1)1番人気が強い 各馬が全能力を発揮するなら「実力通りの決着になる」との仮説が成り立つ。実際、無観客競馬では1番人気馬の勝率が34・32%(表1)。年単位では21世紀で最高の数字を叩き出した。普段は大声援が飛び、最も無観客の影響を受けるであろうG1では【5・2・1・1】の成績(表2)。1番人気がとにかく強い。こちらは勝率、連対率、3着内率全てで今世紀最高の数字となっている。“強い馬がきっちり勝つ”のが無観客競馬。ダービーでコントレイルに逆らうのは無謀か。

 (2)大穴が激走 一方で穴党に心強いデータもある。4月25日、JRA史上初となる一日5本の単勝万馬券&3連単100万馬券が飛び出したように大穴の激走も増えている。無観客競馬での単勝100倍以上の馬(計2561頭)の成績を調べると勝率0・5%、3着内率2・4%。これは過去10年の平均(同0・3%、1・9%)を大きく上回る。一見、「1番人気が強い」とする(1)と矛盾するが、これまで何らかの理由で力を出し切れていなかった馬が「全能力を発揮できる環境下」で変身したと考えれば、関係者の証言ともつじつまが合う。

 (3)無観客が得意な種牡馬 次に無観客競馬での種牡馬別の成績(表3)を掘り下げる。勝利数ランキングは上位陣の顔触れに変化はない。やや成績下降のディープインパクトに好調ロードカナロアが肉薄している点は興味深いが、ロードカナロア産駒はダービー出走ゼロ。ガロアクリークの父キンシャサノキセキとウインカーネリアンの父スクリーンヒーローが無観客になってから産駒の成績が向上している点に注目したい。

 (4)結論 データから導き出される無観客競馬の攻略法は「堅いし荒れる」。まさに、先週のオークスがモデルケースだ。圧倒的1番人気デアリングタクトがきっちり結果を出して、7番人気ウインマリリン、13番人気ウインマイティーの人気薄2頭が続いた。ダービーもコントレイルが堅軸で、2、3着に入る伏兵探しが攻略の鍵となる。(3)で取り上げた、父に勢いがある皐月賞3、4着馬が面白い。夢配当を追うなら、激走増加の単勝万馬券の爆穴と心中だ。

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