【菊花賞】金羅助手から福永へ 偉業へのバトンつなぐ

2020年10月24日 05:30

コントレイルと福永、金羅助手

 大一番の菊花賞が近づき、主戦・福永は静かに闘志を燃やしていた。

 「先週の金曜以降はまたがっていないので、状態に関して言えることはないけど、最終追い切りは順調にこなしてくれたようだね」

 1週前はCWコースで併せ馬を消化。皐月賞、ダービーの1週前と同様、自ら騎乗して感触を確かめた。「先週はいつもほど全体時計が速くならないようにという指示。反応も良かったし、かわしてから気を抜く面を見せなかった。いい傾向だと思う」と手応えをつかんだ。

 秋初戦の神戸新聞杯は余力を残して2着を2馬身突き放した。菊花賞へは中3週と間隔が詰まるため、放牧に出さず在厩でトレーニングを積み重ねた。初めての経験に陣営は試行錯誤が続いたものの、日に日にコントレイルの状態は上向いていった。「神戸新聞杯は不安はありましたが、強い勝ちっぷりをしてくれた。ここまで順調に調整を積めたし、今回の方が何も不安はない」と揺るぎない自信に満ちあふれていた。

 一方のコントレイルは金曜朝、角馬場で入念にウオーミングアップを済ませてからCWコースへ。前日から降り続く雨で馬場状態はかなり悪化していたものの、軽やかなフォームで周回。この日の運動を終えた。

 金羅助手は「前走のダメージが少なかったので立ち上げてからは順調に調整を進めることができました。最終追い切り後も、テンションも上がらずカイバもしっかりと食べています」

 本番に向けて至極順調に態勢が整った。偉業達成へ同助手も闘志を燃やしている。「今日も無事に調整を終えることができてホッとしています。今はプレッシャーよりワクワクしている気持ちが強くなってきました」と言う。「矢作厩舎のスタッフは大舞台をたくさん経験しているので本当に心強いです」とも付け加えた。「菊花賞を勝てば、矢作先生は3冠レースを全て制覇します。レース当日のゲートまで無事に連れていって、(福永)祐一さんにバトンを渡したいですね」。金羅助手は本番に向け、さらに気を引き締めていた。=終わり=

 ◆福永 祐一(ふくなが・ゆういち)1976年(昭51)12月9日生まれ、滋賀県栗東市出身の43歳。父は福永洋一元騎手。96年にデビューしてJRA通算1万7939戦2365勝(GI27勝)。海外でも05年アメリカンオークスなどGI5勝を挙げている。1メートル60、52キロ。血液型B。

特集

2020年10月24日のニュース