【皐月賞】エフフォーリア無敗1冠!横山武 史上3組目となる父・典弘との父子制覇達成

2021年4月19日 05:30

皐月賞を制した横山武はエフフォーリア(中央)の鞍上でガッツポーズを決める。 右隣(黄色帽)は2着の田辺騎乗のタイトルホルダー。左隣(黒帽)は3着となった吉田隼騎乗のステラヴェローチェ (撮影・西川祐介)

 競馬の3歳牡馬クラシック第1弾「第81回皐月賞」が18日に中山競馬場で行われ、デビュー5年目の横山武史(22)が騎乗した2番人気のエフフォーリアが直線抜け出して3馬身差の完勝。19年サートゥルナーリア、20年コントレイルに続き3年連続で無敗の皐月賞馬が誕生。また2年連続で無敗の桜花賞馬(ソダシ)、皐月賞馬が並び立った。横山武はG1初制覇。98年にセイウンスカイで制した父・典弘(53)に続いて、史上3組目の父子皐月賞制覇を飾った。

 東から新時代の風が吹いた。美浦所属の騎手が20代でクラシックを勝ったのは97年オークスをメジロドーベルで吉田豊(当時22歳)が勝って以来。エフフォーリアが後続との差を広げて真っ先にゴールに飛び込み、横山武は左手を高々と突き上げた。ウイニングランではファンに向け1番ポーズ。検量室前で「やったー!よっしゃー!」と喜びを爆発させると、鹿戸師とがっちり手を握り合った。

 好判断が生んだ完勝だ。インの3番手から4角で狭い1頭分のスペースを鋭く抜け出す。器用なコーナリングでタイトルホルダーをかわして、あとは独走態勢。前日の雨の影響で馬場はやや重、開催最終日で4角からゴール前は内側が荒れていたが、迷わず経済コースを選択。鞍上は「4角は内の方がスムーズにいけると判断した」と振り返った。これは“予習”のおかげ。この日4Rを逃げ切り勝ちした際、最内を通って馬場状態を確認。さすが昨年の関東リーディング騎手だ。

 11回目の挑戦でG1初制覇に「最高です。人気があったし、プレッシャーも凄かった。自分の今持っている技術と馬の能力を発揮すれば勝てると思っていた。デビューから乗せてもらっている馬で結果を出せて良かった」とホッと息をついた。

 父・典弘が22歳の90年皐月賞は、メジロライアンで3着。直線で前がカベ。当時、典弘は「4コーナーまで完璧。でもそこからが…。70点の騎乗でした」と唇をかんだ。息子・武史は報道陣に父からアドバイスをもらったか問われて「“緊張するか?”と言われたので“緊張します”と。特にアドバイスはなかった」とほほ笑んだ。22歳の皐月賞限定ながら、当時の父を超えたかもしれない。なお武史の祖父・横山富雄も69年天皇賞・秋などG1級レースを勝っているため、史上初の親子3代G1級レース制覇となった。

 次は競馬の祭典ダービー。横山武は「広いコースの方が合っていると思う。2400メートルは初めての距離。折り合いが鍵。今日はどっしり構えて落ち着いていましたし、ダービーもその雰囲気で臨めれば」と既に次の大目標に向け、気を引き締めていた。

 ◆エフフォーリア 父エピファネイア 母ケイティーズハート(母の父ハーツクライ)18年3月10日生まれ 牡3歳 美浦・鹿戸厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績4戦4勝 総獲得賞金1億9214万8000円。馬名の由来は強い幸福感(ευφοριαの現代ギリシャ語読み)で母名より連想。

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