【菊花賞】レッドジェネシスが来る 神戸新聞杯組が圧倒、ディープ産駒×馬体重Vゾーン

2021年10月19日 05:30

データから浮上したのはレッドジェネシス

 過去10年の傾向から好走馬を探り出す「G1データMAX」。3冠最終戦「第82回菊花賞」は京都競馬場が改修工事中のため、ハシハーミットが優勝した79年以来、42年ぶり2度目の阪神が舞台となる。皐月賞馬エフフォーリアは天皇賞・秋、ダービー馬シャフリヤールはジャパンCに回るため、春のクラシック馬は2年ぶり不在。空前の“乱菊”を制するのは?データ班が自信を持ってお薦めするのはこの馬だ!!

 (1)前走着順 今年は異例の阪神開催。データは参考程度にするべきかもしれないが、無視できない数字がまずある。過去10年の菊花賞優勝馬は例外なく「前走3着以内」だった。「強い馬が勝つ」といわれる菊花賞だが「前走好走馬が勝つ」のが近年の傾向だ。では、優勝馬10頭の前走着順は?1着が昨年コントレイル(神戸新聞杯1着)など6頭、2着が2頭、3着が2頭。やはり前走1着馬が本番でも強いが、2、3着馬も十分にV資格はある。今年人気になりそうな馬では、皐月賞2着タイトルホルダーは直線で前が詰まる不利があったとはいえ、セントライト記念で13着惨敗。データ上は巻き返し至難!?春はダービーに駒を進め、穴人気しそうなヴィクティファルス(セントライト記念5着)やグラティアス(同9着)も微妙な情勢。ちなみに阪神で前回行われた79年優勝ハシハーミットも「京都大賞典2着」と前走好走馬だった。

 (2)ローテ 過去10年の前走ステップ別成績は西のトライアルの神戸新聞杯(コントレイルが制した昨年に続き中京2200メートルで施行)が【8・5・4・49】で断トツ。セントライト記念が【1・3・2・46】、ラジオNIKKEI賞が【1・0・0・0】。この重賞3戦以外から優勝馬は出ていない。菊花賞といえば「条件戦の上がり馬伝説」。過去には嵐山S2着(現在の3勝クラス)から菊花賞を制した90年メジロマックイーンや、九十九里特別1着(同2勝クラス)から制した04年デルタブルースのような例もあったが、近年は皆無。過去10年で「条件戦の特別レース」から菊花賞で連対した例は昨年2着アリストテレス(小牧特別1着=2勝クラス)だけ。ラジオNIKKEI賞1着から直行のヴァイスメテオールを含め、神戸新聞杯&セントライト記念上位組を精査すれば、優勝馬は必ずいる。

 (3)種牡馬 レース史上初めて阪神で行われた先週の秋華賞はディープインパクト産駒のアカイトリノムスメがV。白毛の人気馬ソダシ(父クロフネ)の2冠の夢を破り、血の威力をまざまざと見せつけられた。3000メートルという特殊な距離の菊花賞でも、ディープ産駒は強い。種牡馬別成績は【4・3・3・26】で断然首位。16年サトノダイヤモンド、18年フィエールマン、19年ワールドプレミア、昨年コントレイルと過去5年で4頭が優勝。近年は独壇場になっている。参考までに他の種牡馬ではステイゴールド2勝、ルーラーシップ、シンボリクリスエス、ブラックタイド、スペシャルウィークが1勝ずつ。神戸新聞杯1着ステラヴェローチェ(父バゴ)、セントライト記念3着オーソクレース(父エピファネイア)は母の父がディープインパクトだが、ディープ直子が強い傾向を打破できるか?

 (4)馬体重 競走馬の大型化が進む昨今。80年優勝ノースガスト(422キロ)のような小型馬の優勝は近年なくなった。それでも長距離戦の菊花賞は人間の陸上界同様、筋骨隆々の大型馬よりは程よいサイズの馬が活躍している。例えばスプリンターズSは現在3年連続で「500キロ以上の大型馬」が優勝しているが、過去10年の菊花賞で500キロ以上の優勝は15年キタサンブラック(532キロ)と16年サトノダイヤモンド(500キロ)の2頭だけ。「480~499キロ」のゾーンに優勝馬6頭。この辺りが理想体重か。1番人気濃厚のステラヴェローチェは神戸新聞杯1着時が506キロ。春よりボリュームアップした分、距離延長の菊花賞ではウイークポイントになる恐れもある。

 (結論)データから浮かび上がったのはズバリ、神戸新聞杯2着のレッドジェネシスだ。過去10年で8勝と断然強い「神戸新聞杯組」で「2着」に好走。過去5年で4勝の「ディープ産駒」。さらに前走の馬体重が490キロ。レース当日に極端な増減がない限りは「480~499キロ」のVゾーンに入る。相手は神戸新聞杯1着で、皐月賞→ダービー連続3着に敬意を表してステラヴェローチェ。ただ非ディープ産駒。過去3勝がやや重、不良、不良と“道悪巧者”は間違いない分、当日に良馬場になった時、勝ちきれるかの一抹の不安も…。データ的には神戸新聞杯3着モンテディオも侮れない存在だ。(データ班)

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