【キーンランドC】エイティーンガール 6歳牝馬がピッチピチ躍動!ラスト1F11秒3
2022年8月25日 05:30 永遠の「十八の少女」が洋芝で弾んだ。「第17回キーンランドC」の追い切りが24日、札幌、函館競馬場で行われ、エイティーンガールが札幌芝コースで余力たっぷりに好時計をマークした。一昨年優勝、昨年も2着と好相性のレースで十八の輝きを見せる。
放牧先の淡路島で“不老長寿の果物”といわれる特産品のいちじくを食べていたのか。あるいは、渡るだけで寿命が10年延びると伝わる淡路島七福神霊場、宝生寺の長寿橋を往復してきたのか。「十八の少女」と名付けられた美しい青鹿毛が札幌の洋芝で躍動する。6歳馬とは思えないしなやかな筋肉。淡路島の大浜ビーチを走る黒髪のエイティーンガールのようなみずみずしい肌ツヤ。「相変わらず弾むような脚取りですね」。調教スタンドから見つめる飯田祐師の頼もしげな視線の先で4F50秒2、ラスト1F11秒3の猛時計。若駒時代と変わらないはつらつとした動きを見せた。
「まさか、こんなに速い時計が出たのですか!?体感では54秒ぐらいなのに…」。手綱を取った荻野琢(レースは武豊)が驚きの声を上げる。「直線で手前(軸脚)を替えて、グーンと沈むような走り。さすがに切れる馬だなと。凄くいい動き。競馬モードに入っています」と絶賛した。
今年の冬も夏も淡路島の育成牧場フォレストヒルで充電。静寂な島南部の山あいで激戦の疲れを取り、自然の起伏を使った全長1100メートルの坂路などでじっくりと乗り込まれてきた。「若々しい体を保てる理由?無理せず大切に扱っているし、馬も丈夫ですから。でも、気性はさすがに落ち着いて、扱いやすくなっています」と飯田祐師は語る。
前走・高松宮記念は内伸びする重馬場を外から追い込んで8着。「馬場が向かず、いい脚を使ったが、届かなかった」と同師は振り返るが、このキーンランドCは一昨年優勝、昨年2着の好相性。目の覚めるような切れ味を繰り出した。「調教でも洋芝向きと感じさせるフットワークをしています」と担当の古川助手は言う。
2度目のキーンランドC制覇へ。その手綱を託されるのはワールドオールスタージョッキーズにも出場するレジェンド武豊。「1週前追い切りに騎乗した豊さんも“大丈夫だね”って言ってくれました」と同助手が語れば、飯田祐師も「レースはジョッキーに任せています」と全権委任。レジェンドを背に今年も「十八の少女」が洋芝で弾む。