【有馬記念】イクイノックス完璧!「天才」証明で3頭併せ軽々半馬身先着

2022年12月22日 05:20

ウッドチップコースで追い切るイクイノックス(中央)=撮影・河野 光希

 中央競馬の22年総決算「第67回有馬記念」(25日、中山)の追い切りが21日、東西トレセンで行われた。美浦では今年の天皇賞・秋を制したイクイノックス(牡3=木村)が、ウッドチップコースで抜群の動きを披露。管理する木村哲也師(50)、主戦クリストフ・ルメール(43)も手応え十分。父キタサンブラックとのグランプリ父子制覇も懸け、一気の世代交代を狙う。同レースは22日に出走馬と枠順が確定する。

 大一番に挑むイクイノックスの最終追い。管理する木村師は、「天才」と称する愛馬に2つの明確な、かつ緻密なテーマを持って臨んだ。「スタッフには“いつも通りでいい”と指示した。その中で、道中で力むことなく、馬の後ろでリラックスして我慢できるか。最後のGOサインにしっかり反応して、馬が能動的に動いていけるか。その点を確認したかった」

 Wコースの3頭併せ。ゴールデンシロップ(4歳オープン)が先導し、後ろにハーメティキスト(障害未勝利)を従えての追走。直線は2頭の真ん中へ。激しいアクションで抵抗する両サイドに対し、手綱を軽く促した程度。追えばまだ伸びる余韻を残しつつ、軽々と半馬身先着。「指示通り、うまくいったと思います」。指揮官は細かい“注文”を難なくクリアした愛馬の成長ぶりを称えた。

 春は調教を強めると発疹が出たり体調を崩すことも多かった。思うように攻め切れない中で迎えた皐月賞、ダービーでも連続2着に好走。木村師は「当時の能力は出し切った」と振り返る。才能だけで走っていた天才が、ひと夏を越してパワーアップ。稽古を積んでも音を上げることはなくなった。「馬がしっかりして体調も安定した」。天皇賞・秋で待望のG1初制覇。デビュー時から手綱を取るルメールは「あれが本当のイクイノックス」と絶賛する。

 中山は皐月賞以来2度目。勝ったのは同厩舎のジオグリフ。「皐月賞は勝った馬が素晴らしかっただけ」。師はそう笑いながら「スタートを元気よく出て、勇気を持ってラストスパートできれば」。独特なコース克服に自信をのぞかせる。

 タイトルホルダーにエフフォーリア。天皇賞とはひと味違う、歴戦の年長馬との戦いに挑む。師は「凄いメンバーで気持ちが高まる。ファンの注目もエネルギーになっている。仕事を成し遂げ、責任を果たしたい」と力強く締めくくった。目指す頂はすぐそこ。G1・7勝の父キタサンブラックを超える、3歳でのグランプリ制覇だ。

 《目立つ3歳好走》有馬記念の過去5年では3歳馬は18年ブラストワンピースと昨年エフフォーリアの2頭が優勝。過去10年の世代別成績は3歳が【4・2・2・16】(連対率25%)、4歳が【2・5・1・36】(同15.9%)、5歳が【4・3・6・45】(同12.1%)、6歳が【0・0・1・16】(同0%)と3歳馬が効率良く好走している。

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