【阪神C】ダイアトニック有終V!岩田康「ファンタスティック」直線抜き返し重賞5勝目

2022年12月25日 05:05

<阪神11R・阪神C>内から叩き合いを制したダイアトニック(左)(撮影・亀井 直樹)

 ラストランで堂々の重賞制覇!24日に阪神競馬場で行われた「第17回阪神カップ」は上位人気2頭の激しい追い比べとなり、岩田康誠(48)の気迫に満ちた騎乗で、ダイアトニックがグレナディアガーズに鼻差競り勝って重賞5勝目。有終の美を飾った。

 ラストランの直線。ダイアトニックの闘志に火がついた。外から伸びて来たグレナディアガーズにいったん前に出られたが、そこから食らいつく。馬上の岩田康が左ステッキで気合を注入すると、それに応えて再加速。グイッと前へ出て生涯10回目のVゴールに飛び込んだ。

 今年1年間コンビを組み続けた鞍上は「ファンタスティック。一回、半馬身ぐらいかわされたが馬もファイトしてくれた。僕もそうだけどダイアトニック自身も負けたくない気持ちで差し返してくれた」とパートナーをねぎらう。

 今年の3勝は阪急杯、スワンSに続き、全て阪神芝1400メートルの重賞で挙げた。芝1400メートル戦は8勝目となりグレード制導入の84年以降、芝当距離の最多勝利記録を更新し、芝1400メートル重賞4勝も歴代トップ。安田隆師は「勝負根性を出してくれて恐れ入りますね。よほど阪神の千四が合っているんでしょう」とかみしめた。

 指揮官が管理したロードカナロアの初年度産駒は来年からオーストラリアのユーロンスタッドで種牡馬入りが決まっており、ラストランを見事勝利で飾った。「ちょうどいい潮時。種馬という素晴らしい第二の人生を歩めるからね」。再来年の2月で定年を迎える安田隆師は産駒を預かることができないが「この馬の子も日本に来る可能性はあるので見てみたいですね」と目尻を下げた。得意な舞台で花道を飾ったミスター千四のDNAは海を越えて受け継がれていく。

 ◆ダイアトニック 父ロードカナロア 母トゥハーモニー(母の父サンデーサイレンス)15年5月12日生まれ 牡7歳 栗東・安田隆厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道浦河町の酒井牧場 戦績26戦10勝(重賞5勝目) 総獲得賞金4億6043万4000円。馬名は7音構成の音階で母名から連想。

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