【きさらぎ賞】ノーブルライジングの剛脚!石原助手が引き出す「気分良く走らせて」
2023年2月3日 05:30 春のクラシックを目指す「第63回きさらぎ賞」の出走馬が2日、確定した。今年の3歳牡馬戦線は混戦の色合い。次週の共同通信杯を含め、必見の一戦だ。ノーブルライジングは粗削りなレース内容ながら、末脚に光るものがある。馬具に工夫を加え、課題のゲートもしっかり練習してきた。先週日曜に中京芝で2勝のキズナ産駒は荒れ馬場OK。決め手は全く引けを取らない。豪快アーチを狙う。
上りゆく春へ、いでよ剛脚!宮本厩舎でノーブルライジングを担当する石原助手は仕事をする上で大切にしていることをこう話す。「気分良く走らせてあげられるようにしたいですね。精神的に人間が追い込まないように。メリハリはないとダメですけど、極力怒らないようにはしていますね」と穏やかな表情を見せた。
素質の片りんキラリ、前走・1勝クラスの末脚に見どころがあった。出負けもあり後方から。序盤で頭を上げるシーン。それでも直線は外に出し、グングンと前との差を詰めた。3着馬と接戦の鼻差4着だったが、脚勢では上回っていた。“粗削り”という言葉が浮かぶレース内容。上積みを期待できる要因が2つある。
まずはゲート練習。この中間は入念に行っている。「先週はスムーズに駐立ができていました。自分からバンと出るより、馬に付いていくタイプ。多少スタートがマシになってくれれば」と前向きに語る。さらに馬具の工夫。今回はクロス鼻革を着用する。操縦性や集中力を高める効果があると言われる。「我慢が利いて、行きたがる面が収まってきました。僕が乗っている感じでは効いている感じはあります」と手応えを感じ取っていた。
前走はプラス12キロで490キロ、走るごとに馬体重が増える。「キ甲が抜けて、背が高くなってますね。木曜の段階で486キロ。休み明けの前走よりスカッとしています。多少は絞れていると思います」と口にする。中京は今週が最終週。終盤になり、末脚に勝る馬の活躍が目立つ。ここ2週で上がり1位の馬は【11・5・2・4】で連対率73%。舞台は絶好だ。石原助手はかつて同じオーナーのノーブルマーズも手がけた。18年目黒記念2着、宝塚記念3着など重賞戦線で息長く走り、53戦5勝(地方移籍後を含む)で現役を終えた。
「ケガもなかったし、凄く丈夫でした。ポテンシャルもあったと思う。高倉が追い切りにずっと乗ってくれた。この馬も(国分)恭介が付きっきりで乗ってくれていますからね」
気分良く走らせる。そんなモットーをいざレースで体現。クラシックへの道を開く。
◇石原 卓治(いしはら・たくじ)1975年(昭50)2月16日生まれ、大阪府茨木市出身の47歳。茨木東高校、佛教大OB。牧場勤務を経て栗東トレセンに入り、松田正弘厩舎(06年に解散)から宮本厩舎へ。デグラーティア(08年小倉2歳S勝ち)やマイネルクラリティ(12年六甲S勝ち)、ノーブルマーズ(18年宝塚記念3着)に携わった。