【ヴィクトリアM】ナムラクレア 千二実績生きる「追走力特化型」

2023年5月13日 05:28

ウォーキングマシンから出るナムラクレア(撮影・亀井直樹)

 G1企画「展開王」では、この春も展開から勝ち馬を導き出す。東京5週連続G1の第2弾「第18回ヴィクトリアマイル」は、美浦取材班の鈴木悠貴が担当。3歳牝馬2冠スターズオンアースと昨年覇者ソダシの2強ムードだが、展開を考えてみると、ある伏兵が浮上。距離不安で、実績の割に人気のないあの馬に本命を託した。

 先週のNHKマイルCは、直前に降った雨の影響でパワー比べに。今週も雨予報が気になるところだが、G1馬4頭を含め豪華メンバーがそろった今回こそは、極限のスピード勝負を期待したい。

 展開予想の前に、舞台の特徴をおさらい。東京マイルのポイントは、3角入りの下り坂だ。スピードが乗ったままコーナーを回るため、ペースが緩まずに直線を迎える。昨年もテンの3F34秒7、1000メートル通過58秒0と速い流れ。前半は、スピードに耐えうる「追走力」が必要となる。

 直線は約530メートル。後方待機の馬でも十分勝負になる長さ。それに加えて、前半はそれなりに速いペース。末脚自慢の馬に有利なコースと言えるだろう。

 ただ、高速馬場だと話は別。今週からBコースに替わり、簡単には前が止まらなくなるだろう。となれば、スタミナ不安をささやかれる「追走力特化型」にチャンス。現に15、16年には千二実績のあるストレイトガールが連覇を果たした。今回、似たような実績を持つ馬が1頭。高松宮記念2着◎ナムラクレアだ。

 東京マイルの速いペースは、千二で実績を積んできたナムラクレアにとっては緩いペース。逃げるサウンドビバーチェを見る形で、気持ち良く先行できそうだ。折り合いに不安はなく、しっかり脚がたまる。

 直線は、前走からのペースアップに対応できないサウンドビバーチェが早めにバテる。そうなると、2番手ナムラクレアが絶好。人気スターズオンアースが、久々のマイルに戸惑い手こずっている隙に、悠然と粘り込む。

 末脚自慢が集まった今回。距離不安で明らかに過小評価の4歳牝馬が、波乱を巻き起こす。

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