【CBC賞】7番人気ジャスパークローネお見事逃げ切り初タイトル
2023年7月3日 05:15 東西重賞ともに単勝1倍台の圧倒的1番人気が敗れる波乱の決着となった。4年ぶりに中京で開催されたサマースプリントシリーズ第2戦「第59回CBC賞」は7番人気ジャスパークローネが逃げ切り初タイトルを獲得した。
開幕週のセオリー通りのVシナリオ。陣営に迷いはなかった。ダッシュ力を生かして先手を奪ったジャスパークローネ。前半3F33秒7のマイペースに持ち込むと、直線に入っても勢いは止まらない。最後は迫って来た軽ハンデ54キロの伏兵サンキューユウガを半馬身差しのいで、逃げ切った。
ゴールした瞬間、右腕でステッキを振り下ろして喜びを爆発させた団野は「今日の芝はずっと前残りだったので、脚質は合うと思っていた。テンを出てからのスピードはあるので逃げようと。予想以上に楽に行けました」とテン乗りでの勝利をかみしめる。この日行われた芝6レースで逃げ切りは4回。前有利な馬場を味方につけた。
鞍上は春の中京開催最終日に行われた高松宮記念を12番人気ファストフォースで勝ち、初のG1タイトルを手にした。夏の開幕週も同じ舞台で重賞V。「今回、抜てきしてもらえて凄くうれしかったですし携わった方々に感謝したいと思います」と笑みを浮かべた。
管理する森秀師はJRA重賞49勝目。そのうち12勝を逃げ切りで挙げた。99年、小倉開催だったCBC賞を制したアグネスワールドも逃げ切りだった。指揮官は「抑えても味がないから“行きなさい”と指示した。スピードはあるからね。あとはバテるか、残るか」と鞍上のリードに託した。
全5勝は全て逃げ切り。サマースプリントシリーズ初戦の函館スプリントSは逃げられず最下位16着に敗れた。そのまま函館に滞在して出走予定だった先週の青函Sが除外の公算が大きいと判断すると、栗東に戻して当レースに備えた。この後は同シリーズのアイビスSD(30日、新潟)か北九州記念(8月20日、小倉)の両にらみ。個性的な逃げ馬が夏の短距離戦線を盛り上げる。
◇ジャスパークローネ 父フロステッド 母ファンシーキトゥン(母の父キトゥンズジョイ)19年3月12日生まれ 牡4歳 栗東・森秀厩舎所属 馬主・加藤和夫氏 生産者・マハマーホール&ゴドルフィン 戦績13戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億220万4000円 馬名の由来は冠名+王冠(ドイツ語)。
《記録アラカルト》
☆騎手&調教師 団野のJRA重賞勝利は福島牝馬S(ステラリア)以来で今年3勝目、通算6勝目。森秀師は22年七夕賞(エヒト)以来で通算49勝目。
☆種牡馬 フロステッド産駒はJRA重賞初勝利。
☆逃げ切り 20年ラブカンプー、21年ファストフォース、22年テイエムスパーダに続き4年連続で逃げ切り。